#1375/3622 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 20/05/10 16:44 ( 29)
開いた口を塞ぎたい 永山
★内容 20/05/10 16:44 修正 第2版
BSテレ東で放送のドラマ「サイレント・ヴォイス シーズン2」第五話を録画視
聴。ネタバレ注意です。
今回、トリックに関しては弁護のしようがないくらいにひどい。とってつけたような
……という表現すら生ぬるい。おざなりの間に合わせ、視聴者に対するフェアネスも担
保されず。原作もこんなトリックなのか? ドラマオリジナル?
道具立てとしては面白くなりそうな要素が合ったと思うんですけどね。将棋の名人(本
ドラマでは“達人”)が犯人というのは、ミステリのネタとしては目新しくないです
が、「負けるのが分かったなら潔く認める」「千手先を読む」「共犯者がいるが、共犯
者はいない」といったいじり甲斐のあるフレーズがたくさん。負けを潔く認めると言っ
ていた名人が、取り調べで追い詰められて悪あがきするんだろうなと予想していました
が、そこは外れた(笑)。
家政婦は店に来るよう呼び出しを受けたときにおかしいと思わなかったのかな。その
時刻、丹生が対局中だってことぐらいは分かっただろうに。抜け出してくるからと言わ
れていたとしても、昔の将棋の第一人者・神崎の家政婦だったのだから、そんなことは
普通あり得ないと気付くはず。
動機は棋士ならではと言えるかもしれませんが、そこまで先を読んで殺人を犯すのな
ら、十五年前に共犯を頼んだ時点で殺そうと考えるはずなのに。
あと、作中で示された条件から私が想像していた事件の構図を書いてみますと。
犯人の丹生は防衛戦を前にスランプに陥り、密かに苦悩していた。そんな矢先、かつ
て神崎に勝つための共犯を務めた家政婦の藤本と偶然再会。彼女に新たな妨害を頼む。
挑戦者の恋人Aを監禁するよう頼まれた藤本は、Aを昏倒させて店まで運び込むまでは
成功するも、意識を取り戻したAに逆襲され、死亡。対局の休憩時間に首尾を尋ねるべ
く電話した丹生だったが、応答がない。計画の頓挫を予感した丹生は動揺し、休憩あけ
にミスを犯して敗北。
――この方がましじゃないかな。「共犯者がいるけど、共犯者がいない」に関して
は、監禁計画の共犯はいるが、殺人の共犯はいないという意味で。
ではでは。