AWC AIとカセットテープの狭間に   永山


        
#1322/3620 ◇フレッシュボイス2    *** コメント #1321 ***
★タイトル (AZA     )  20/03/27  20:15  ( 32)
AIとカセットテープの狭間に   永山
★内容
 故人のAIと冒涜についての雑感、もう少しだけ。
 たとえば歌手の場合、録音された歌声を、当の歌手が死んだあとに再生して聞くこと
は冒涜ではないと言い切れるのかしらん? 記録されたデータは劣化するかもしれない
し、再生する機械によって本物とのずれが生じているかもしれない。
 本人の歌声を正確に記録した物なんだからかまわない? だとしたら、正確にって
何?という話になってしまう。AI美空ひばりだって正確にデータを取ったと言えなく
はないでしょう。
 想像するしかないんですが、蓄音機もしくはテープレコーダーが開発された当初、亡
くなった歌手の歌声を聞いて、「こんな声は本物じゃない。魂がこもっていない。冒涜
だ!」という考え方の人はそれなりにいた気がする。
 現代ではカセットテープやCD、音楽データは歌手自身が売るために作っているのだ
から、亡くなったあとに買って来て聴こうがどうしようが冒涜には当たらないというの
が当然になってるだけで、ひょっとしたら将来、アーティストは自分のAIを生前から
作って、死後もAIが創作活動をするのが当たり前になるかも?

 仮に、百パーセント完璧に故人をコピーしたAIができたとして、その上で喋ったり
創作したり、あるいは遺族と語り合ったり喧嘩したりできるようになった場合、世間の
反応はどうなんだろう。
 百パーセントだろうが何だろうがやはり冒涜だと感じる人は、要するに死んだ人を科
学技術で甦らせようとすること自体が冒涜だと感じているはず。「本人が生きていれば
こんなこと言う訳がない」とか、「こんな作品を生み出すはずがない」とかそういうの
は後付けの理屈に過ぎない、と思う。
 一方で、愛する人が亡くなったあと、もうしばらくの間そばにいてほしかったと思う
人の願いを否定し、AIで死んだ人を甦らせる行為は禁止!なんて方向に進むのもおか
しな話で。

 現状で批判を受けないようにやるとしたら、故人が著名人である場合、「お金儲けに
使わない」「大々的な形で公にしない(やるのなら個人的に、身内でひっそりと)」
「生前に故人が許可していた」ぐらいはクリアしていないと、何かしら非難を浴びそ
う。

 ではでは。




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