AWC ヒールはヒール役ではない   永山


        
#978/3020 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  19/05/29  19:17  ( 53)
ヒールはヒール役ではない   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「悪党」第三話をネット同時配信及び見逃し配信で視聴。ネタバ
レ注意です。
 佐伯の前に、車椅子姿の坂上が現れる。被害者遺族の細谷に刺されて瀕死の重傷を負
うも、半身不随で命を取り留めていた。坂上は、佐伯の調査のせいでこんな目に遭った
のだと責める。「悪党はどんなことをすれば赦されるんだ?」という問いに、佐伯はか
つて坂上が嘯いた通り、「赦されなくていいんだろ?」と言い返す。
 探偵事務所に戻ると、新たに松原弥生という女性からの依頼が。高校生のときにグ
ループでひったくりを繰り返し、殺人までしでかした弟・文彦を探して欲しい。会いた
くはないが、末期癌の母親が伝えたいことがあると希望しているので、仕方なく依頼に
来たという。
 佐伯は、金を無心する手紙にあった住所を尋ねてみるが、そこは施設で知り合った
男・菅井が厚意で住まわせていたアパートの一室で、財布から勝手に金を取るようにな
ったので追い出したという。
 坂上の元恋人リサが、佐伯の前に現れ、半ば強引にリハビリ中の坂上のところへ連れ
て来る。坂上は改めて問う。「俺を刺したあのじじい(細谷)は、これで気が済んだの
か。満足したのか」
 菅井から情報が入り、文彦の動向をキャッチ。依頼の通り、母親に会いに行くように
言うが、姉の存在がネックになって拒絶される。
 事務所を訪ねてきた弥生に、現状を伝えると、依頼を取り下げたいという。訳を聞く
と、母が三日前に亡くなったと。これに対して佐伯は、このままでいいのかと問う。弥
生は怒りの感情を露わにし、文彦に振り回されてきたことを吐き出す。賠償のために父
の遺産を切り崩し、母も自分も働き通し、それでも世間から悪く言われる。果ては、結
婚の機会まで逃した――。それでも佐伯は言う。犯罪者の家族がどれだけ辛い目に遭う
のか、あんたの弟は分かっていない。それを伝えることができるのはもうあんたしかい
ない。
 後日、形見分けをするとして、弥生は佐伯を通じて文彦を家に呼ぶ。同行した佐伯の
前で、姉に対して憎まれ口を叩く文彦。姉に言われて渋々仏壇の前で手を合わせていた
文彦に、弥生はいきなり果物ナイフを突きつける。佐伯は止めようと立ち上がるが、違
った。このナイフこそが母の遺したものだという。それは母の愛用品で、文彦もかつて
小学生の頃に肺炎で入院したとき、林檎を剥いてくれた物だと覚えていた。母は病床で
このナイフを枕の下に隠していた。死を間際にして、文彦に会いたがったのは、現在の
文彦がどんな人間になったのかを見極め、もしも変わっていなければ親の責任として殺
すつもりだったのだ。
 そんなことも分からないのと姉に叱責された文彦は、ナイフで自らの喉を刺す素振り
を見せ、俺が死ねばいいんだろと言い出す。佐伯はすぐに止めに入り、文彦をねじ伏せ
ると、お姉さんはおまえに向き合うと決心したんだ、おまえも向き合えと説得。姉と弟
はやり直すことになった。
 一方、佐伯の姉を殺した犯人グループの一人、田所についても佐伯のチェックは続い
ていた。キャバクラ城のはるかからの情報で、田所が今度、社長令嬢と結婚することに
なったと知り、その社長宅の前で張っていると、田所が現れた。そこへいきなり現れ
て、田所に絡む男。誰何する社長令嬢のに、「田所とは十五年前から兄弟だ」と言い放
った。
 その言葉に、佐伯はぴんと来る物があった。
 ――以上が今回の粗筋でした。
 文章にすると淡々となりますが、今回は明らかに泣かせに来ていました。姉と弟が再
会してからの一連の流れなんか特に。べただけど感動。
 サイドストーリーとして展開される、佐伯へのはるかのアプローチ。佐伯は拒むんで
すが、その理由がてっきり、危ない仕事をやっているからだと思いきや、人を好きにな
るとかそういうのが苦手だと語る。姉の死が影を落としていることらしい。次回以降、
佐伯の仕事のために、はるかが危機に陥るみたいなので、この辺りの感情がどう変化す
るかも見ものです。

 ではでは。





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