AWC 太く長く   永山


        
#298/3621 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  17/12/11  20:51  ( 34)
太く長く   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「石つぶて」第六回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 話せば殺される金。それだけ語ってあとは黙秘を宣言した真瀬。そこまで言うからに
は、単純な経費の流用や賄賂とは考えづらい。木崎はこの捜査の元ネタをくれた政治家
を訪ね、どのようなことが考えられるか問う。出て来たのは、機密費というキーワー
ド。政府省庁各所には、機密費の名目で自由に、文字通りノーチェックで使える莫大な
金がある。中でも外務省への割り当ては巨額で、使い先も海外であることが多いため、
不正を働いても調べがなかなか行き届かない。だが、キャリアでもない外務省職員が、
億を超す金を着服できるものなのか。
 一方、二日間の参考人聴取をどうにか乗り切った真瀬は、官房局長に報告に行く。そ
の場では額面通りに受け取った風を装った官房局長だが、真瀬の存在を危険視するよう
になっていた。後日、真瀬のフランス行きを取り消し、近くにおいて飼い殺しにするよ
うな人事を下す官房局長。この処置を一時的なものだと説明された真瀬だが、己の立場
が急速に悪化していることを察する。
 “あの方”と呼ぶ人物と密かに会った官房局長は、全国紙に真瀬の着服疑惑の記事が
出ることを伝え、現時点では強引にもみ消しても逆効果だという判断を下す。“あの方
”は「真瀬がいっそ死んでくれればいいのに」と呟く。
 新聞記事は、木崎ら刑事にとっても青天の霹靂。このまま放置していると、真瀬に自
殺される恐れもゼロではない。そんな木崎の元へ、電話が。真瀬の現在の愛人で同居し
ている朱鐘からだった。彼女が言うには、マンションの周りに新聞記者が殺到して、大
変なことになっている。真瀬は寝室に籠もったまま。いよいよ危ないと見て、木崎と斉
見はマンションへ急行し、裏口から真瀬の部屋に辿り着く。その寝室で見たのは、膝を
抱えて床に座り込み、殺されると怯える真瀬の姿だった。
 第六回の粗筋はこんな具合。前回の対決ぶりがとてもよかったおかげで、さすがに今
回は少々見劣りしましたが、それでも見所は多かった。特に、真瀬の転落の様がこれ以
上に内くらい急転直下で、ついさっきまでは嫌な野郎だと感じていたのが、憐れみを誘
われたほど。北村一輝の演技がそれだけ真に迫っていたということか。
 上の粗筋では触れませんでしたが、真瀬が抜いていたのは機密費は機密費でも、外務
省ではなく、官邸の使える機密費――官房報償費であることが示唆され、ますます大ご
とに。木崎らは捜査二課総出で事に当たると決意し、真瀬の取り調べを情報係の天敵だ
が歴戦の猛者である羽佐間にやらせることを考える、ってな流れがあって、大いに盛り
上がりました。次回予告でさらなる裏があることまで窺われたので、簡単には決着しそ
うにない。それだけ本作を長く楽しめるってことで歓迎したい(笑)。

 ではでは。





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