#222/3614 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 17/10/03 20:15 ( 23)
球等ない 永山
★内容
関東を含む広域で高校の野球部から硬式球などが大量に盗まれていた事件で、容疑者
二人を逮捕。
一応、転売目的だったようですが、理解しがたいのは、そんなに高く売れるとは思え
ない物品であること。その上、野球ボールにしろ金属バットにしろ、かさばるし、効率
悪い。ボールなんて落としたらどんどん転がって行く(笑)。
この事件が報じられたときに思い出したのが、ミステリアンソロジー『放課後学園』
(創元推理文庫)に所収の「ボールがない」(鵜林伸也)でした。小説の方は、野球部
のボールが一個だけ消える、その動機と方法は?っていう謎で、ちゃんとミステリらし
く趣向を凝らした真相が示されます。だからという訳ではありませんけれど、実際に起
きた今度の事件でも、何らかのとんでもない理由が秘められているのではないかと期
待?してしまってた(汗)。
実際の事件に先行する形で、ミステリに描かれていたなんてことは稀で、あるとした
ら、ミステリの中身を真似て犯罪をやってみたというケースが少しあるくらいじゃない
かしらん。
逆に、実際の事件や事故を参考にして、ミステリ小説を組み立てたというケースは結
構ありそう。その場合、参考にしたり取り入れたりしたことが、読者にすぐに気付かれ
るのはあまり上手じゃない(無論、ノンフィクション風・ドキュメンタリー風のものは
また別)。ある程度読み進めるか、最後まで読んだ時点で「あ、これはあの事件だった
のか」と気付かせるのがいい。読了しても何の事件事故を参考にしたのか分からないく
らい消化していたら、それが一番いいのかもしれませんが。
ではでは。