#588/1159 ●連載
★タイトル (RAD ) 07/10/08 20:27 (139)
BookS!(おまけ6) 悠木 歩
★内容
紫「私はここにいるよ。ここでいつも貴方を見ていたの。紫音です」
明「貴方を想うと、胸が苦しくなって涙が零れます。明日香です」
理「遠からん者は音に聞け、近くば寄って目にも見よ。理奈子だぁ」
ナ「ナナです………」
紫「理奈子ちゃん、だからそれ、ノリが違うって………イヤイヤイヤイヤ」
理「どうしたの? 紫音姉ちゃん」
紫「ナンか、一人多くない?」
明「ああ、ナナちゃんですね」
理「■夕暮れの少女■に出てきた子だよ。知らないの?」
明「あっ、もしかして紫音さんって、自分の登場するところしか読んでいない
とか?」
ナ「……………」
紫「そうじゃないっ! アナタ、台詞だけで三人を書き分けるだけでも大変な
のよ。それを四人って」
明「いいんじゃないですか? 別に私たちが作者の都合なんて、気にしなくて
も」
理「そうそう、ゲストの一人くらい、いいじゃん」
紫「いいのかなあ………理奈子ちゃんも初めは、ゲストだったんだけど」
明「そんなことより、本題に入りましょう………けど、粗方、やり尽くしちゃ
ったかしら?」
紫「………まっ、いっか。今回は『BookS!』に於けるエピソードについ
て、その配置の仕方とか、考えて見ましょう」
明・理「はいっ!」
ナ「……………」
紫「まず(01)のサブタイトルなしね」
明「いきなり迫水先輩が襲われている場面ですね。分かりにくい、夜の場面か
と思った、なんて意見もありましたよ」
理「理奈子もおもったぁ」
紫「確かにそうした不手際もあったみたいね。ここでの目的はね、作品のジャ
ンルをある程度アピールすることにあったの」
明「えっと、戦いがメインになる作品だと?」
紫「そうよ。ちなみに作者にはイメージしていた既成の作品があったそうよ。
永井豪さんの漫画『バイオレンスジャック』その作品に戦いから始まった
後に、本筋に入るってエピソードがあったんだって」
理「そのマンガ、知らないよ」
ナ「知らない………」
明「作者の世代が窺い知れる、古い作品ですからね」
紫「続いて■発端■ね。これが本来の導入部。目的は作品の核になる、本の存
在のアピールね。それが凄く古いものって言うのも現しているの」
明「(01)は別にして、物語のそれこそ発端なのに、迫水先輩は出で来ませ
んね」
理「そうだ、どうして黎が出てない!」
紫「それでいいの。(01)でどうやら黎が主人公らしい、と言うのは伝わる
から。黎の登場まで、物語の環境を整える方法が執られたのよ」
明「環境作りですか」
紫「ええ、この時点ではまだ読者に伝わらないでしょうが、黎に相対する連中
の一方の紹介ね。そして木崎の登場で、何か犯罪的なことをしているらし
い組織・団体の存在を暗示しているの」
理「真嶋のおじさんも出てるね」
紫「そう、まだ名前が出ていないバルスーム社の中心としてね」
明「それでそれを受け継いで■依頼■に移るわけですね」
紫「ここで黎と本が出会うきっかけが用意されるわけね。磯部、小桃の紹介も
兼ねてるわね」
明「そして話は一旦、最初の筋から離れて■久遠紫音■が挿入されますね」
理「紫音姉ちゃんの、初登場だね」
ナ「おなか、すいたの」
紫「ナナちゃん、ちょっと我慢してね。そうここでは主に私の紹介ね。何やら
生い立ちに事情を抱えていること。すでにブックスを所有していること。
ああ、リアードの紹介もね。彼は四百年前にも呼び出されていて、既に登
場していたグラウドや三冊の本とは、少し異質であること」
明「翌日には東京に経つことですね」
紫「まあマンションは千葉だったけど(笑) 上京することを知らせ、戦いに
参加していくだろうと言うことを暗示しているわけ」
理「それから私のコイビトの登場だ」
明「………■迫水黎■ですね」
紫「(01)は置いておくとして、ここでようやく主人公登場って訳。そして
黎と本との出会い」
明「雛子さんとグラウドさんも、ここから登場ですね」
紫「そう、ここで黎と阿婆擦れたちが遭遇。危機の中、黎は本に読める文を見
つける」
明「それを受けての■戦い■、リルルカさん、ミルルカさんが登場です」
理「レイもリーダーの仲間いりだね」
ナ「プリン、たべたいの」
紫「なんか、ナナちゃんがここに居る意味が………まあここ二話での戦いはキ
ャラ紹介の意味合いが強い前哨戦だから、当然の如く決着は着かないで終
了することになるわ」
明「ここには唯一、もう一つエピソードがありますよね?」
紫「ああ、■黒幕■ね。この時点ではまだ、一回の連載に一つのエピソードと
いうのを確定させていなかっただけの話なんだけど」
明「ここでやっと、バルスームのボスが顔見せですね」
紫「それ以降、二度目の登場がないけどね」
明「続く■緑風高校剣道部■では、一旦流れが変わりますね」
紫「そうね。ここは改めて黎の周辺環境の説明、ってところかしら。タイトル
通り、主に剣道部を中心にして」
理「明日香姉ちゃんは、ここで初登場だね」
明「うふふっ。でもここでは私、キャラがまた薄いです」
紫「まあ明日香ちゃんはバトル系キャラじゃないからね」
ナ「プリン………」
紫「ごめんね、ナナちゃん。プリンはないの」
明「それで次の■ライバル■では、私より先に椚主将が紹介されちゃってます」
理「兄ちゃん、ナンかカッコイイ」
紫「あら、ここは明日香の紹介もされているわ。ほら、料理の腕前が披露され
ていたり、ちょっとそそっかしいところとかね」
明「やだ………恥ずかしいですっ」
紫「そしていよいよ■First friend■。私と明日香の出会い」
明「本当、驚きました。あの時は」
紫「ごめん………反省している。ここはまあ読んで分かる通り、私たちが友だ
ちになる経緯が書かれている訳なんだけど」
明「それ以外にも意味があると?」
紫「ええ、私が明日香と知り合うことで、更に明日香の幼馴染みである黎とも
知り合うことになる伏線になっているの」
理「ねえねえ、なんか回りくどくない?」
明「そうでもないと思うわ。だっていま、夏休みですもの。普通の流れのまま
だったら迫水先輩と紫音さんが知り合うのは二学期になってしまうでしょ
う?」
理「そっかな? まあいいや。次行こうよ」
明「■接触■ね」
理「へっへ〜、理奈子、やっと、はつとうじょう〜」
ナ「プリン………」
明「アメならあるよ、ナナちゃん」
理「あ、理奈子もアメ、欲しいっ」
(明日香から二人へアメが手渡される。ナナ、不服そうにそれを口に)
紫「えっと、そう、理奈子ちゃんの初登場とメインは黎とリアードの接触。こ
れも一応、後への伏線ってこになるかしら」
理「そん次が■磯部慶太■だね」
明「慶太さん、とうとうバスルームの会社に取り込まれたみたいで、心配です」
紫「私は磯部って人と本編でも、設定上でもまだ全く面識がないんだけど。彼
より空知さんが気になるのよね」
明「空知って、小桃さんですね」
紫「ええ。彼女、ここまでこれと言った役目が全然無いでしょ? まあ作者が
単に華としての存在程度に考えてなのかも知れないけど」
明「その可能性、あると思います」
理「■緑風高校剣道部2■………長いタイトルぅ」
紫「あっ、待って。ここからは、次回にしましょうよ」
理「えっ、どうして?」
紫「だってここであんまり話を進めると、次回のネタがなくなるから(笑)」
明「フフッ、それもそうですね」
理「そ、だね」
紫「じゃあ。そう言うことで。
貴方の声が聞きたい。貴方に触れたい。いつでも貴方を想っている紫音と」
明「今夜、貴方の夢を見ます。だってまだ、本物の貴方とは話せないから、明
日香と」
理「天知る、地知る、人が知る、理奈子と」
紫「だからノリが………」
ナ「プリン、たべたかった………」
紫「結局、何でナナちゃんが居たのかしら?」
■おしまい■