AWC 狂気の勇者達。 序文     滝ノ宇治 雷華


        
#79/569 ●短編
★タイトル (yiu     )  03/03/27  15:10  ( 54)
狂気の勇者達。 序文     滝ノ宇治 雷華
★内容
汝、平等を信じるか。世界が平等だとしても、人々が心を変えなくては意味がない。
我,ここに歌う。平等の賛歌を。歓喜によせて。
                  序文。
「ハァハァ」
彼は走ってる。重い鎧を身につけて。背中にはなぜか翼が生えている。暗闇を一人で走
っている。そう。彼は翼があるという理由で迫害された民の子孫なのである。それであ
って最強の騎士。彼の名は「カミュエル。」
 ふと気がつくとカミュエルは一人,真っ暗で、静かな森の中にいた。童話などに出て
きそうな森だ。この地の名は,「ウッドミドガルド」その名のとうり,えんえんと森が
続く地方だ。もちろん、この地を支配している貴族はいる。このベルガニア王国は王
族,貴族、平民、農民、奴隷の階級制度になっていて、王族が王都を自衛し、地方は地
方からもともといる貴族が自衛しているのだ。このまま飢え死になるわけにもいかず、
カミュエルはウッドミドガルドを支配している貴族の古城に侵入した。侵入するのは簡
単だった。デカイ城をすみからすみまで把握している貴族はそうざらにはいない。ウッ
ドミドガルドのミドガルド一族も例外ではない。タンタンとカミュエルは階段を足早に
あがる。人に見つかったら,一貫の終わりだからだ。しかし、その行為が逆効果だっ
た。カスタネットのようなカミュエルの登る音を聞いていいない自衛団員はいなかっ
た。「天使の羽を持つ死神」と歌われた彼も50も越す大衆を前しては、飛んで火にい
る夏の虫化となった。いや、倒せないわけではない。返って捕まってしまえば、自衛団
に加えてもらえるかもしれないのだ。しかし、王の力というのは絶対権力であって翼賊
討伐というのは避けられないものだった。
 椅子に縛り付けられ、ミドガルド一族が集まり会議を始める。カミュエルをどう殺す
かという惨いものである。さすがに彼も歯を食いしばった。しかしながら、カミュエル
の姿は天使と歌われるほど美しいもので、美しいものが好きな貴族たちはカミュエルが
行く先々、自衛団を使わせ、自分の城へ招き入れるということは珍しくはなかった。ミ
ドガルド一族は殺し方を話しつつ,カミュエルに見とれていた。ミドガルド一族の箱入
り娘、メデイ・ミドガルドはカミュエルを殺さず,助けようと父でもあり,城の当主で
もある、ラクーツ・ミドガルドに呼びかける。
「お父様,自衛団に加えれば,ミドガルド一族の評判はよくなるわ!!」
「・・・・・・・む・・・・」
ラクーツは黙りこむ。しかしながら、そこは親心、可愛い娘の甘えだと思いしぶしぶ自
衛団に加えるのだった。


 平民には遠い記憶だが、一時期、ベルガニリア王28世後継ぎ争い内乱が発生した。2
8世は妻を早くに亡くし隠し子、ニケ・ベルガニリアを育てていた。しかし、乗っ取ろう
とする勢力は必ずいるものである。なんと身内のリース・ベテルニアが王都を攻めてき
たのである。リースは南のアラガス港を支配していた。ベルガニア王国の外交、貿易を
指揮していた。そのため,金銭が一番ある貴族でもあった。これに驚いた28世は王都を
すて、一人逃亡。隠し子ニケを王都に置き忘れてしまったのである。これにより、ニケ
はリースにいいように利用され、挙句の果てには追放されてしまった。
 「ハァ・・・・・・。」
一人の奴隷が、溜息をつく。ボロボロの服に鎖,いかにも奴隷らしい。なぜ彼が溜息を
つくというと,彼の親友が貴族たちの狂った娯楽、「グラディエーターズバトル」に強
制参加されたのである。グラディエーターズバトルとは、盾と、剣と装備して、猛獣と
奴隷が戦うというものである。落ちこんでいるところへ,一人の青年と少年の間ぐらい
の男児がやってくる。やや高貴な空気を醸し出している。
「やあ」
高貴な男児は奴隷に語りかける。少し反抗的な態度に奴隷はなる。
二人は雑談を交わす。
「約束するよ。この王国を平等にしてみせる!!」
そういうと彼は去っていった。
                                   <序文完
>





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