#8969/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA ) 16/07/09 20:13 ( 32)
無辜な婿 永山
★内容
BSジャパンで放送のドラマ「男と女のミステリー時代劇」第七話「婿入り試験」を
録画視聴。ネタバレ注意です。
為三郎・庄三郎・善三郎という三人の御家人が、両替商の黒田清右衛門に用心棒とし
て雇われる。黒田屋にとって一番大事なものがあるという離れを、ひと月見張れば、前
金で十両、ひと月後に何事も起こっていなければもう十両払うという。ただし、離れの
中を見てはならないと厳命された。
見張りが開始された頃、庄三郎が言うには見張りは表向きの理由で、離れには黒田屋
の亡き妻に生き写しの一人娘・花がおり、その婿選びのために我々三名は雇われたのだ
という。さらに、娘はこれまでに二人、婿を得ていたが、いずれもすぐに行方知れずと
なっており、鬼に食われたとの噂まで立っていた。
善三郎は夜の見回りを一人でしているとき、偶然、外に出て来た娘の花と出くわす。
花と親しくなった善三郎は、彼女が絵に描いていた庭の草花の名を調べ、翌日教えに再
び離れへ入る。そんな風にして親密さを増す二人だったが、為三郎が横槍を入れた。善
三郎に手を引けと言い、右腕に刀傷を負わせる。離れに向かった為三郎を、手負いの善
三郎は追い掛けたが、為三郎は何者かに深手を負わされ、瀕死の状態で倒れていた。人
を呼びに行く善三郎だが、誰も見当たらない。現場に引き返すと、庄三郎が現れ、何事
があったかと問うてくる。善三郎は事の次第を説明するが、為三郎の姿は消えていた。
地面にあった血痕とともに。
――途中までの粗筋はこんな感じ。スリラー仕立てで、ちょっと不自然な点はあるも
のの、なかなか面白く視聴していました、ここまでは。
次の場面辺りから謎解きに入って行くのですが、一気につまんなくなりました。種を
割ってしまいますが、要は清右衛門が娘に亡き妻を見て取り、また、妻が情人といると
ころを見て両名を切り捨てた過去があった。そのため、娘に近寄る男が出て来れば、剣
をふるって始末し、庭に埋めていたという次第。
じゃあ何で清右衛門は婿探しを段取りしたんだ? 多重人格みたいなものか? 為三
郎も殺され、埋められてたのですが、あまりにも早業に過ぎるのでは。庄三郎は奉行所
からの“潜入捜査官”だったのですが、それなら自らが囮になるくらいに動くべきであ
ろうに、他の二人に被害が及ぶのをじっと待ってるようなところがあって、釈然としな
い。
本シリーズの中で、今回が一番腑に落ちない出来と言えるかも。
ではでは。