#8966/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA ) 16/07/06 20:21 ( 27)
嫁ぐふりして稼ぐ 永山
★内容
BSジャパンで放送のドラマ「男と女のミステリー時代劇」第六話「身代わり稼ぎ」
を録画視聴。ネタバレ注意です。
本シリーズこれまでのカラーとは一線を画し(途中、二話分を観てませんが)、全体
にコミカルさの漂う内容でした。
お光は田舎から出て来たばかりの夜鷹で、なかなか客を取れない。そんな彼女を、呉
服屋の番頭が前金十両で雇う。若旦那の妹が、両替商の長男との縁談を前に、手代と駆
け落ちしてしまった。結納金を返せる当てもなく、とりあえず十日後の茶の湯の席で代
役を立てねばならない。その白羽の矢がお光に立ったのだ。呉服屋に着いてみると、若
旦那やその母親には悪し様にののしられるわ、次男からは厳しくしつけられるわで、
散々な目に遭う。そんな折、急に両替商の親子が、長らく待たされていることを理由に
婚約を破棄するつもりでやって来た。だが、お光を表に出してお辞儀をさせるという呉
服屋次男の思い切った采配で、婚礼は予定通り行われることに。ただ、新郎となる両替
商の長男は、何か違和感を覚えたようで……。一方、お光の夜鷹商売の元締めをやって
いた男が、偶然にも身代わりの計画を聞きつけ、よからぬ考えを起こす。
――中盤までの粗筋はこんな具合。べたといえばべたですが、面白い。画面を通して
こそ分かる心理面の動きなんかもあって、上の記述では伝わらないと思いますが、呉服
屋次男はお光を見直すようになるし、両替商長男はお光を身代わりと知った上で、好意
を持つという流れになる辺り、まるで一昔前の学園物少女漫画のようです(笑)。
前回は、終盤で失速した感がありましたが、今回は最後までこのペースを保ち、充分
に合点のいく結末が用意されていました。道行きは、都合のよい偶然が散見されるんで
すが、許容できる範囲だと思います。
ただ一つ、変だなと感じたのは、元締めの行動。大きな秘密を握って呉服屋を脅迫
し、大金をせしめるまでは当然として、そのあとお光が会いに来たところを両替商長男
に目撃された結果、詰問され、身代わりの件をあっさり喋るのはおかしいような。余計
なこと言わずに逃げるのが一番のはず。
ではでは。