#8814/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA ) 16/02/13 21:12 ( 26)
家紋がやってくる 永山
★内容
BSジャパンで放送された松本清張ドラマ「家紋」を録画視聴。ややネタバレ注意で
す。
旧態依然とした北陸の村で、凄惨な殺人事件が起きる。雪の降る夜、黒い帽子を被り
マントを羽織った男がある家を訪れ、まずは主を、次いでその妻を連れ出し、それぞれ
突き銛で腹と喉を刺して殺害した。しかも黒マントの男は、被害者夫婦の五歳の娘すら
も連れ出そうとしていた。娘の体調が優れず、預かることになった隣人が強く拒否した
ために連れて行かれずにすんだが、もしも応じていたら、娘もまた殺されていた可能性
が高い。
捜査が早速始まるが、部外者に心を閉ざす村人達の前に難航を極める。事件発生から
五十日で捜査本部は解散し、やがて殺人の時効が成立してしまった。
十八年後、九州は博多に移り住んでいた娘が、婚約を機に怖い夢を見るようになる。
黒マントの男に家から連れ出されようとする夢だ。育ての親に尋ね、事故だと聞かされ
ていた両親の死が、実は殺人だと知り、真相を調べねばならないと考えるようになる。
出身地に出向いた娘は、そこで断片的な手掛かりを得て、やがて恐ろしい可能性に辿り
着く。
――長い粗筋となりましたが、実際、長いドラマでした。CM込みで二時間二十六分
て、長いなあ。もっと省略して、通常の二時間ドラマの枠内でまとめられたと思うんで
すけど、スペシャル感を出したかったのかしらん。
内容は、実際の未解決事件をモデルにしただけあって、引き込まれるものがありまし
た。反面、謎解きの過程となると、都合のよい解釈や無視があるような気がする。未解
決事件をモデルにしたと言っても、解決部は完全に創作と見なすべきなんでしょうけれ
ど、それにしてはもたついてる感がなきにしもあらず。特に、このタイプのミステリが
犯人の告白で終わるというのは、芸がない。推理小説的な工夫がもっとプラスされてい
てもよかったのに……と少々不満も。
ではでは。