AWC 一人より二人   永山


        
#8655/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  15/09/12  21:13  ( 28)
一人より二人   永山
★内容
 BS朝日で放送された松本清張ドラマ「張込み」を録画視聴。二〇〇二年に地上波で
放送された分の再放送です。
 二〇一一年に放送されたTBS版とは、趣を全く異にする雰囲気のドラマでした。ほ
んとに同じ小説を原作にしてるのか?と思えるほど。
 まあ、主演が前者はビートたけし&緒形直人、後者は小泉孝太郎という時点で、かな
り違うことは想像が付くのですが、それにしても。
 まず、張り込みに当たる人数からして違う。二〇〇二年版はたけしと緒形の二人、二
〇一一年版は小泉一人で張り込みをする。普通は複数名が交代で当たるものだろうか
ら、TBS版には色々と違和感を覚えたもんです。
 舞台となる地方も変えてありましたが、それぞれ違和感なし。しかし、ストーリー展
開はまるで違った。張り込む場所、逃亡中の犯人の立場や犯した罪、刑事の人間関係、
女が犯人と会うまでの交通手段、その他諸々に結末まで。比較すると、二〇〇二年版の
方がハードな内容に仕上がっていた。二〇一一年の方は全体にウェットな感じが漂う、
というかそう意図して作ったんでしょうけど。誰に主眼を置いて描くかによって、ドラ
マの作風がこんなに変わるのかと、妙に感心したり。
 世評は多分、二〇〇二年版の方が高いんじゃないかと想像しますが、注文がなくはな
い。二〇〇一年を舞台にしながら、昭和を感じさせる場面が満載で、でも捜査に関して
は当時最新の機械が出て来るので、バランスが悪いように映ったです。
 また、特に問題だと感じたのは、終盤の犯人を確保する寸前のシーン。ビートたけし
演じる柚木刑事は、どんなタイミングを待っていたのかがよく分からなかった。そして
緒形直人演じる下岡警部、ここまで刑事としてだいぶ成長して来たなあと思ってたの
に、最後の最後でこんなミスをしでかすか? 台無しになったな〜。事件解決後の描写
にしても、下岡の独りよがりに陥っている印象が強く、感動には至らず。

 私、実はこの原作小説をちゃんと読んでいません。全く違うドラマ化を観て、内容を
確かめたくなった次第。

 ではでは。





前のメッセージ 次のメッセージ 
「◇フレッシュボイス過去ログ」一覧 永山の作品
修正・削除する         


オプション検索 利用者登録 アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE