#8625/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA ) 15/08/15 20:26 ( 25)
かわずとびこむ 永山
★内容
BSジャパンのドラマ「松本清張ミステリー時代劇」第十話『雨と川の音』
を録画視聴。ネタバレ注意です。
無宿人の与太郎は傷害の罪で牢屋に入れられるが、仮病を使い、病にかかっ
た罪人が集められる浅草の溜に移される。溜は脱獄しやすいとの噂があった。
そこで知り合った同じく無宿人の市助の計画に乗り、脱獄に成功する。その後、
篭屋に化けて身を隠す二人だったが、駆け落ちの途中と思しき男から、女を高
井戸まで乗せて行ってくれと頼まれ、引き受ける。だが、篭屋にしては堂に入
っていない足運びや体力のなさから男に怪しまれ、逆に市助は「駆け落ちは重
罪だ」と脅しを掛ける。揉み合いになり、与太郎は男の懐刀により指二本を失
うが、凶器を奪い取って男を背後から切り付け、どうにか助かる。その間に市
助は女と金を持って逃げてしまった。
五年後、信州で幸運もあって貸元に収まった与太郎は、仕事仲間と甲州へ身
延参りに出向く。甲州は駆け落ち男が最終目的地と話していた。女と市助が、
今も甲州にいるかもしれない。そんな予感を抱いた与太郎は、宿泊先のおかみ
があの女に似ていることに気付く――。
上の粗筋の通り、偶然性頼みな部分もありますが、サスペンスフルな展開で
なかなか魅せます。ラストもよくある形と言えばそれまでなんですが、どうな
ったのか分からない、視聴者に委ねる〆でミステリーらしい余韻を残します。
タイトルの意味するところが、いまいちぴんと来ませんでした。確かに雨や
川の音が使われているんですが、さほど印象に残るような演出ではなく、物語
上、重要なファクターという訳でもない。
与太郎が指を二本失ったことも、消化不良な感じ。顔以上にその手が特徴に
なるだろうに、ストーリー展開にほとんど寄与していないのは不満でした。
ではでは。