#8147/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA ) 14/04/28 20:41 (104)
マジックを観に行こう>千姫ボタン祭り 永山
★内容
姫路城で催される祭、そのプログラムの一つにステージマジックがあると知
り、行ってみました。
出演するのは姫路マジッククラブの有志三名。アマチュアの方達です。名前
は敢えて伏せます(汗)。
屋外の会場に着いて真っ先に感じたのは、手作り感溢れてるなと。ステージ
はビールのケースをいくつも逆さまにして並べた上に、布を掛けて見えなくし、
板を敷いた物。しかも、ステージに上がる階段がなく、代わりに高め(40〜
50センチぐらい?)の踏み台が一つ。マジックショーの前に、ゆるキャラ登
場とフラダンスがあったのですが、さすがに上り下りが不便だったのか、途中
で緑の平らな台が追加され、三段にしていました。
とにもかくにも、マジックスタート。そこそこお年を召した男性が、シルク
ハットに燕尾服をばっちり決めて登場。って、スタート前から舞台に出ていて、
あれやこれやと道具を並べている。小さめの奇術道具は、スーパーの買い物袋
のような袋に入れて、持ち運んでいるし。
とにもかくにも、スタート2。
いかにも奇術道具っぽい、二枚の仕切りと、天地のない筒を取り出し、仕切
りの間に筒をセットする。何も入っていないはずの筒に手を入れ、作り物の花
屋やハンカチ?やらを取り出してみせる。袖に何も仕込んでいないことをアピ
ールするのはいいのですが、マイクを持って自ら二度も「袖には何にもないで
すよ」的なことを言うのは、やり過ぎのような。
次。またもやいかにも奇術道具然とした、抽斗状になっている直方体の箱を
取り出し、中が空であることを観客に見せて改めさせたあと、抽斗を閉めてま
た開けると、作り物の花が入ってた。次に空にしたグラスを箱に入れ、抽斗を
閉じてまた開けると消えている。そしてまた閉めて、まじないを唱えてから開
けると、お茶で満たされたグラスが現れる。そして飲み干し、本物であること
を示す。これはなかなかよかったです。
三つ目。風船を膨らませ、串を刺しても割れない……というマジックのはず
ですが、一回目は失敗。惜しいところで割れてしまった。二度目のチャレンジ
で成功。最初の失敗は演出ではなく、本当に失敗だったのかな。二つ目の風船
を膨らませるとき、しんどそうな呼吸音がマイクを通じて聞こえたので……。
引き続いて、膨らませた風船の中に、五百円玉ぐらいのサイズの赤い玉を一
個入れて、風船ごとくるくる振り回すと突然、赤い玉が増えて風船内が満たさ
れる。これは赤い玉を使ったマジックのバリエーションとして、よく工夫され
ていると思いました。
この他にも何かされた気がしないでもないのですが、思い出せない。何せ、
次の方のインパクトが……。
二人目は赤いドレスの女性。お年の印象は……内緒(汗)。最初の演目は、
皿にバーナーの火を近づけると燃え上がり、そこへ金属製のふたをかぶせてま
た開くと、作り物の花が咲くというもの。始める前に、舞台上で燃焼剤を皿に
塗っていたのですが、それって事前に舞台裏で仕込んでおくのでは。
次、大ぶりのナイフで自らの腕を切りつける。本当に食い込んだように見え、
赤い物がしたたり落ちる。ところがナイフをどけると傷は全くなし。血も流れ
ていない。
三つ目。小型ギロチンが登場。何をやるのか説明のないまま、観客から一人、
お手伝いを選び、ステージに上げる。初老の男性でした。
ギロチンには大小二つの穴が上下に設けてあり、まずは切れ味を示すべく、
上の大きな穴に大根を、下の小さな穴にキュウリを差し入れ、刃を落とす。当
然、大根もキュウリも切断され……ない!
ざわつく観客を気にする風もなく、ギロチンを調べる演者。何か、かみ合わ
せてある金属板をがっと剥がす感じで、中を覗き込んでる。堂々としすぎ。よ
く分からないけど直ったのか、再び大根とキュウリを入れて試すと、ちゃんと
切れた。手伝いの男性、たちまち不安げな表情に(苦笑)。
もちろんマジックは止まらない。言うまでもないですが、上の太い方に男性
が腕を入れ、下の方にキュウリを入れて、ギロチンの刃を落とすと、腕は切れ
ないが、キュウリは切れるというマジック(をやるつもり)です。果たしてそ
の通りやったんですが、またもハプニングが! ――といっても、腕が切れた
のではなく、キュウリが切れませんでした。演者本人は、「腕は無傷ですが、
キュウリはこの通り切れました」と言ってましたが、あれは切れてなかったよ
なあ。
マジックは終わっても、ショーは終わらない。舞台を降りる際、使った道具
も片付けるんですが、入れ物がよくなかったみたいで、落っことしてかなりぶ
ちまけていました。
三人目、とりを飾るのはクラブの会長さんだそうです。男性で、この方も一
人目の方に次ぐぐらいの年齢かと。時間が押しているせいかどうか、演じたの
は一つだけ。人体串刺しマジックです。ただし、プロがやるときのような立派
な箱はなく、段ボール箱でしたが。
開始前から、段ボールをはじめとする小道具を持って、舞台上をうろうろ。
スタートしても、すぐには始められない。箱に入るアシスタント待ちだったよ
うで、舞台裏に声を掛けると、飛んできました。アシスタントはさっきギロチ
ンを使ってた女性でした(笑)。白い服を重ね着しています。
ようやくマジックスタート……と思ったら、風が強くなり、舞台の端に置い
ていたガムテープが転がって、地面に落ちた。スタッフ?が急いで拾って、元
に戻す。もう、コントの流れがずっと続いています。
マジックはそれでも止まらない。キャスター付き踏み台で一段高くした段ボ
ールに、何故か小さめの脚立を入れ、さらに女性アシスタントが入ります。す
っぽり収まったところで、ふたを閉め、ロックします。無論、鍵はないのでガ
ムテープで。ぺたぺた貼ったあと、子供の背丈ほどありそうな大きな西洋刀?
を何本も取り出し、まな板に上から突き刺すことで、本物だとアピール。その
刀を段ボールの横から水平に差し込んでいきます。左右に七本ずつ。さらに一
本、真上から下向きに。演者が「全部刺しました」的なことをマイクで言った
ら、観客から拍手が。うん? 拍手する場面か? さっきのギロチンの印象で、
無事に刺せただけで拍手が起きたのか?
で、見ていると、演者が刀の刃にしっかり触れて、段ボールに押し込んでい
るのね。先っちょだけが多少鋭利になっていて、他の部分では切れないんだろ
うと丸分かり……。
気を取り直して(笑)、マジックは佳境へ。踏み台ごと段ボールを動かし、
左右の面に刀がまんべんなく刺さっていることを、観客に見せる。それから刺
したときとは逆の順番に、刀を抜いていく。この間、演者一人。アシスタント
がいれば楽なのにと思っていたら、演者ご本人がマイクで「格好良くやるには
アシスタントがいればいいんですが、今日は都合によりいません」みたいなこ
とを言ってました。
いよいよクライマックス。ガムテープを剥がすと、女性が(無事に)現れま
した。衣装も白い服から赤のドレスに(って、マジックをやったときの衣装に
戻っただけ)。
というような感じで、ある意味、大当たりのマジックショーだったのでは。
手作り感溢れる舞台に、緩い雰囲気、そして何と言ってもギロチン。盛り上が
ったのは間違いありません。濃厚な三十分でした。
たまにはこういうショーもいいもんです。無料だからこそ言える感想だけど。
ではでは。