AWC 本の感想>『福家警部補の報告』   永山


        
#7949/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ    *** コメント #6490 ***
★タイトル (AZA     )  13/11/01  22:34  ( 27)
本の感想>『福家警部補の報告』   永山
★内容
 その前に、十一月と十二月分のお題募集中です!

本の感想>『福家警部補の報告』
      (大倉崇裕 東京創元社・創元クライムクラブ)15/4551
 かつては一緒に漫画を書いていた少女二人。成長するにつれ、一人は漫画家
として大成し、残された一人は漫画の敏腕編集者になった。編集者は漫画家を
裏切り者と逆恨みし、ことあるごとに足を引っ張る。耐えきれなくなった漫画
家は、ついに手を掛けてしまう(「禁断の筋書」)。元やくざの組員が元組長
の孫娘を誘拐する。組の再興を期しての行為だが、元組頭はこの暴走を許さず、
巧妙な計画を立てて殺害する(「少女の沈黙」)。宝石強盗未遂で手配中の三
人組が、銀行強盗を計画していることを知った老夫婦は、自分達の知識や技術
を活かし、強盗達を爆殺する(「女神の微笑」)。
 殺人を犯した人々と対峙した福家警部補が、意外な物事を糸口に、真相をた
ぐり寄せていく。
 福家警部補シリーズ第三作品集。

 倒叙ミステリとして評判のシリーズも、作品数を重ねてきて、徐々にレベル
ダウンしている感じ。それでも一定の面白さはキープしているから、まだ安心
して読めるでしょう。
 今回気になったのは、示される手掛かりのいくつかが、かなりの偶然性を有
していること。殺人の数日前に偶々そんなことがあったがために、犯人にとっ
て不利になる。そのパターンの多様が目に付いたです。恒常的な日々から些細
な矛盾を拾い上げる、という方がより難しい創作作業と思う質なもので。
 三作の内でベストは「少女の沈黙」だと思いますが、意外な展開を見せたと
いう点では、「女神の微笑」もなかなか。まさかこういう形で〆とは。

 ではでは。




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