AWC 本の感想>『六色金神殺人事件』   永山


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★タイトル (AZA     )  13/10/16  23:26  ( 31)
本の感想>『六色金神殺人事件』   永山
★内容                                         13/10/17 08:25 修正 第2版
 その前に、OAKさんの一番目の書き込みに戸惑いましたが、一応、問題解
決したようでよかった。


本の感想>『六色金神殺人事件』(藤岡真 徳間文庫)13/6331
※フェアな記述が難しいため、粗筋紹介は裏表紙にあるものから引用します。

 保険調査員・江面直美は青森に出張の帰り、吹雪に遭い小さな町に入り込む。
そこでは「六色金神祭」が行われていた。中央からタレントまで呼んだ大規模
な祭だが、町は電話も普通、交通も遮断された完全な陸の孤島。そこで次々と
起こる不可解な殺人事件――。宇宙開闢から大和朝廷の成立までの歴史をつづ
ったという六色金神伝紀によれば、ここ津本は宇宙の中心であったという。異
色伝奇ミステリー、書き下ろし。

 ……粗筋を本書から引用しておきながらナンですけど、この粗筋は嘘八百と
言ってもいいくらいです。バカミスとはっきりくっきり明記すべき。そのよう
に記してこそ、読みたい本と読者が出逢えるというもの。
 何を言ってもネタバレになりそうなので、感想もぼかした形でしかできませ
ん。作中で起きる出来事は、事件Aと事件B、二つのタイプに大別できるので
すが、そのAとBそれぞれが本当にAである、本当にBであるとする根拠を欠
くのは、ちょっと困る。ある意味で面白い、妙な試みをしているのに、これで
は単なる結果論になりかねない。それだと本格としての面白味の大部分を失っ
てしまう。
 とは言え、読んでる間、解決の手前までは、なかなか引っ張られて読みまし
たから、リーダビリティはいいんでしょう。
 時折巡り会うこの手の作品を読んだとき、この手法を使うのならばもっと大
がかりな謎を提示してもらいたい、という不満も、本作に関しては、一応、言
わずにいられるレベルだったし。
 広い心の持ち主にお勧めできるミステリ。

 ではでは。





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