AWC マジックを観に行こう>インターナショナルマジック   永山


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★タイトル (AZA     )  13/10/15  01:35  ( 96)
マジックを観に行こう>インターナショナルマジック   永山
★内容                                         13/10/15 01:36 修正 第2版
 忘れていた訳ではないけれど、だいぶ間隔が空きました。二日目というか最
終日の感想です。

 初日は感想に書いたように、非常によいマジックを観ることができましたの
で、この日も大いに期待して会場に足を運びました。ちょっと期待しすぎたか
もしれません。

 オープニングはマジックではなく、歌。ジャズシンガーのダイナマイト・ミ
キという女性が登場して、ピアノを弾きつつ、大いに歌いました。私でも知っ
ているスタンダードナンバーばかりで、多分、上手なんでしょうけど……こっ
ちはとにかく眠い。マジックを観るために余力を残しておこうと、眼を休めて
ました。音だけは聞いてました。替え歌も折り込み、楽しかった。「バナナボ
ート」とかのね。けど、長かった。

 続いては前日催された若手コンテストの結果発表。
 審査員として、アジア・マジック界のビッグネームが大勢来日してたのね。
知らない人ばかりでしたが、貫禄たっぷりの男ばかり。説明されずに外見だけ
で判断すると、見事なまでに悪役揃いでした(汗)。
 コンテストは、一般観客投票による最高得票者一名と、審査員によるベスト
スリーを選出するとのこと。
 まず、一般投票は、マイケル・ジャクソンを模した切れのよいダンスに、カ
ードやCD等を使ったマジックを組み合わせた、渋谷駿という人が選出されま
した。とても若い人で、ネットで調べると少し前のプロフィールで中学生とな
っていたので、多分、高校生。テレビ出演や受賞歴も豊富で、今度のコンテス
トでも、ダントツだったんじゃないでしょうか。
 続いて審査員審査。三位は……忘れた(汗)。二位が確か、依岡真という人
で、ハトやトランプを出してた(多分)。技は相当凄いんだけど、メリハリに
乏しかった印象があった。マジックとマジックのつなぎ方も、必然性の全くな
い、淡々と色んな演目をやりましたという感じだった。
 そして栄えある一位は、渋谷駿。そう、ダブル受賞です。そりゃまあそうだ
ろうなと納得できる結果でした。
 優勝者の演目をもう一度、というようなことはなく、短いスピーチで〆。

 最後はまたまた一流どころの揃ったステージショー。ただし、人数は前日よ
りも減って六組でした。この辺も物足りなさの原因かも。とりあえず、印象に
残ったことを中心に雑感を。
 オーストラリアから参加のティム・エリス。手に持ったトランプ六枚から、
三枚を捨てて、数え直すとまだ六枚ある。三枚を捨ててまた数えるが、やはり
六枚ある……という演目を延々と繰り返していると、司会男性が「つまんない
ですよ。もっとエキサイティングなのが観たい」ってな突っ込みを入れる。す
るとエリスは、衣装をミュージシャン風にしてサングラスを掛け、騒がしい音
楽を流させながら、同じマジックをまたやり始める。と言っても、姿形だけで
なくアクションもオーバーになるわ、トランプのサイズも大きくなるわで、確
かにエキサイティング(笑)。
 続いて、今は亡き師匠から習ったというリンキングリング。金属製の輪っか
をつないだり離したりするあれです。やることは他と同じなんですが、この人
は非常にロマンティックに演じて、巧かったと思います。

 日本のジョージ本田は、燕尾服に白手袋、シルクハットと、いかにもマジシ
ャンといった風体。ハトや鳥かごの鳥を出しまくる。それ自体は素晴らしいと
思う反面、かごの鳥は作り物だったような……六つぐらい鳥かごを出して、中
の鳥はどれも微動だにしていなかったから。それはともかく、演目にストーリ
ー性がほしい。

 スコットランドから参加の、基、米国から参加のスコット・ランドは、マリ
オネットとマジックを組み合わせてました。マジックの要素は少ないものの、
人形遣いとして卓越してますね、この人。小さな男の子の人形の表情や仕種は
魂が宿っているかのようだし、骸骨のペアの人形は、身体の各部を離れ離れに
したりまたひっついたりと、自在に動く。オペラ歌手人形は水芸をやり、丸々
一羽分の七面鳥肉の人形(要するに羽をむしり頭部を落とした鶏肉を想像して
ください。あれを操るんです)は、いきんで卵を産んだあと、フライドチキン
にされてしまった(苦笑)。

 日本の男女ペア、Toshiki&Yunは……記憶にない。日本の男女ペ
アってイメージが似てるんだもん。もしかしたら、前日のフィールと混同して
いる部分があるかもしれない。すみません。

 ティナ・レナートは、アメリカの女性マジシャン。日本のテレビ番組でも何
度か紹介されているので、詳しくない向きでも見たことのある人もいるかも。
ただ、番組に紹介されたのって相当昔だった気がする。
 演目は、女性が好きそうな、ファンタジックなマジックです。清掃員に扮し
たレナートが、椅子に座って一休みにしていると、そばに立てかけたモップが
動き出して……というやつ。初見のときは、冴えないおばさん清掃員が、びっ
くりするくらいの美人に変身したイメージが強くあったんですが、今回生で観
ると、そうでもなかった。演じるマジシャン自身が齢を重ねたんだもんね。き
れいな人なんですけどね。

 とりを飾ったのは、フィリピンの男女ペア、マーク&ピンキー。早着替えの
連発でした。早着替え芸なら、西洋でも有名なペアがいますが、やることはほ
とんど同じでした。布がひらひらと着いた輪っかを通されると、衣装が変化し
ている。このフィリピンペアは、男の方が二度も早着替えした点が違ってたく
らい。ラスト、花婿と花嫁の格好になっておしまい。

 てことで、二日目は観たことのある演目が多かった。参加者の少なさと合わ
せて、物足りなさを覚えてしまうのは仕方がないんではないかと。

 二日に渡って観賞し、感じたのは、西洋のマジシャンの独創性の高さ。小さ
なアイディアや既存のアイディアでも、自分なりに消化・工夫し、別個の物を
生み出そうという努力が半端ではない。
 日本やアジア勢は、その点でやや劣っているかなあ。コミカルなマジックで
は、かなり健闘していると思うんですが。
 そんな中、幸条スガヤのおかめマジックは、本当に優れていたと断言できま
す。面が人に実体化するという構図自体は西洋マジックにもあるに違いないで
すが、それをうまく和のものとしている。拍手喝采です。

 ではでは。




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