AWC 本の感想>『鮎川哲也からの挑戦状1』   永山


        
#7907/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  13/09/27  23:15  ( 24)
本の感想>『鮎川哲也からの挑戦状1』   永山
★内容
・『鮎川哲也からの挑戦状1』(鮎川哲也 出版芸術社)14/5432
 山荘で宿泊客の女性が殺される。逃走中の銀行ギャングが紛れ込んだのか? 
だとしたら誰に化けたのか?(「白樺荘事件」)。金貸しが殺された。顔には
何故か漆喰が。三人の容疑者にはアリバイがあるが……(「俄か芝居」)。ホ
テル内で殺人。被害者は脅迫を生業としており、容疑は脅迫されていた三人の
宿泊客に絞られる。犯人は死体をわざわざ移動させたようだが、いったい何の
ために?(「茜荘事件」)。
 かつてNHKで放送された謎解き番組「私だけが知っている」。シナリオ作
家の一人として参加していた鮎川哲也による脚本七作を、そのまま再現し収録
した作品集。

 以前刊行された光文社文庫の「私だけが知っている」シナリオ集で、鮎川哲
也作品を読んだときにも感じたのですが、昭和三十年代に放映された番組とあ
って、さすがに古さを感じさせる設定もありますが、それでも充分に読める物
に仕上がっているのは素晴らしい。
 映像がないと解けないものもあるため、代わりにイラストが挿入されていま
す。ただ、イラストは当然静止画ですから、ポイントが丸分かりになるケース
があり、やや興醒めになった部分も。
 また、ロジックも若干強引で、そうとは限らんだろうと言いたくなる作品も
中にはありますが、総じて本格のエッセンスを堪能できる出来映えです。シナ
リオだからと軽い気持ちで読むだけでは、なかなか看破できないこと請け合い
です。

 ではでは。





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