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★タイトル (AZA ) 13/09/19 20:15 ( 24)
本の感想>『武家屋敷の殺人』 永山
★内容
・『武家屋敷の殺人』(小島正樹 講談社ノベルス)14/5441
孤児院出身の静内瑞希から、身内の人間を探してほしいという依頼を受けた
弁護士の川路。手掛かりは、彼女が孤児院に預けられる際に持たされていた日
記の内容。そこには、一人の男が関わった犯罪と奇怪な謎の数々が記されてい
た。川路はカヌー仲間の那珂とともに、依頼に応えるべく、東奔西走する。す
ると、新たな殺人事件の謎までもが浮かび上がり……。
島田荘司との共著でデビューを果たした著者が放つ、奇想ミステリ。
小技の寄せ集め感に満ち溢れた、“謎”のどんぶり勘定ミステリ――とは言
いすぎか。魅力的な謎を作り出そうという努力は大いに買います。ただ、結構
凄いことをやってる箇所もあるのに、漂う小粒感はどうしたものか。謎をいく
つも投入したが故に、それぞれの印象が薄まったとも考えられるものの、それ
以外にも原因はありそう。
古本屋で購入したため、帯は付いてなかったんですけれど、どうやら帯には
「詰め込みすぎ」との文言があったそうな。謳い文句に偽りなしだから、文句
の付けようがないし……。犯人バレバレだなと思って油断していたら、どんで
ん返しがあったのもよかったし。強引だけどね。
主人公のキャラクターが若干ぶれている気がするのは、シリーズ化を目論ん
で幅を持たせているのか、定まっていないのか。特徴は出ている反面、どんな
人物なのかいまいち思い描きづらい。
シリーズ化するのであれば、謎の数は今のままでもかまわないので、芯に据
える謎をどんと打ち出した書き方をしてほしいところ。
ではでは。