AWC 本の感想>『タルト・タタンの夢』   永山


        
#7759/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  13/06/07  22:00  ( 21)
本の感想>『タルト・タタンの夢』   永山
★内容
・『タルト・タタンの夢』(近藤史恵 東京創元社)11/3341
 焼き菓子の中に確かに入れた陶器の人形は、どのようにして消えてしまった
のか(「ガレット・デ・ロワの秘密」)。アルコール類を持ち込めたはずのな
い不良高校生は、いかにして酒を調達し不祥事をやらかしたのか(「理不尽な
酔っぱらい」)。一流のチョコレート店が提供するセット商品が素数個ばかり
の理由は(「割り切れないチョコレート」)。
 ビストロ・パ・マルは下町の小さなフランス料理店。シェフの三船は、長髪
に無精ひげという出で立ちの、普段は無口な男だが、客の体験したちょっと変
わった出来事を耳にすると、解かずにはいられなくなるようで。
 日常の謎を扱った七編からなる短編集。

 悪くはないんだけれど、本格ミステリとは言えないし、さほどロジカルでも
ないなー。料理に関する知識がないと、まず解けない点。提示される謎のほと
んどが、個人レベルの小さな出来事である点。この二つを承知の上で読めば、
もう少し評価を高くしてもいいかな。主要キャラクターも、やや類型的ではあ
るが、魅力ある描き方をされているし。何より、さくさく読めて、フランス料
理の豆知識も知ることができる(笑)。
 ベストは、ミステリとしては「理不尽な酔っぱらい」、ストーリーなら「割
り切れないチョコレート」を挙げておきます。

 ではでは。





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