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★タイトル (AZA ) 13/05/21 21:29 ( 23)
本の感想>『七人の探偵のための事件』 永山
★内容
そういえば、お題未決定故、まだ募集中なのでした。
本の感想>『七人の探偵のための事件』(芦辺拓 早川書房)10/3250
近くの警察からも無視されがちな田舎の集落・名鳴。そこで続発した住民の
怪死。長老の鶴の一声で、名探偵が招かれることになった。使命を負った青年
団の男が都会に出て、一苦労の末に集めたのは七人の名探偵。彼らは名鳴に着
くなり、事件に取り組み、複数の謎をあっという間に解き明かしてみせるが、
それらを全てつなぎ合わせると、犯人が不明になってしまうという奇妙な様相
を呈した。
作者の持ちキャラ達を集結させ、描き出される波瀾万丈の物語
語り口が退屈でつまんない。蘊蓄だけならまだしも、どーでもいいことにま
で筆を割きすぎ、意味の薄い仄めかしを多用、シーンのつなぎが行き当たりば
ったりに見える等々。凝りに凝った設定とアイディアを駆使しながら、独り善
がりに終始した部分が大きく、非常に読みにくい代物になっています。
冒険譚としてもミステリとしても、中途半端でどっちつかず。本格推理的な
仕掛けをしている割に、描写のフェアさは結構いい加減だし……。
さらに、名探偵七人を序盤から知り合いにしたことで、明らかに持て余して
いる感じを受ける。個性の強い七人が、ほぼ一緒に行動する様を、それぞれの
個性とともに描こうとしたら、冗長になって当然じゃないかしらん。徐々に知
り合っていく形の方が、物語の運びがスムーズになったと思う。
ではでは。