AWC 社の用・さのよいよい   永山


        
#7692/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  13/04/29  17:30  ( 19)
社の用・さのよいよい   永山
★内容
 ネット古書店にて注文した『推理日記FINAL』(佐野洋 講談社)が本日、配
達されてきた。これからじっくり時間を掛けて読むつもり。訃報の前々日に注
文したんだなぁ、としみじみ。

 佐野洋の小説。
 先述の通り、多くを読んだ訳ではありませんが、作品リストを参照せず、頭
にぱっと浮かんだ小説こそが、印象に残っている物と言えるはず――という考
えの下、思い浮かんだのは『七色の密室』(文春文庫)でした。短編集です。
 短編の名手と言われた佐野洋だけに、長編よりも短編が印象に残るのは、あ
る意味必然かな。ただ、この短編集はタイトル通り、密室をテーマにした物で、
手を替え品を替え七つの密室が描かれ、本格推理のテイストが濃い。佐野洋は
どちらかと言えば、(題材が斬新だったとしても)手堅い作風のミステリが多
かったと思うので、そういう点では異色かも。
 密室に関して因縁話を絡めたり、不可能性を強調したりといった装飾をして
いないため、謎の詩美性はほとんどないけれど、それがかえって佐野洋らしい。
この作家が密室物を扱うとこうなるのだなと、納得できる作品が詰まっていま
した。

 ではでは。





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