#7666/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (GSC ) 13/04/17 05:30 ( 29)
雪国の氷柱(ツララ)
★内容
カメレス、季節外れ、時代遅れ、文字違い、珍しくもない話、そんな私の
たまの書き込みです。
私が札幌に住んでいたのは、昭和36年4月から昭和47年3月までの
11年間で、生まれも育ちも愛知県の私にとって、札幌での暮らしは珍しい
ことばかりでした。当時と今とでは、気候も生活様式もかなり違うかも
知れませんが、とにかく懐かしい思い出がいっぱいです。
低温(氷点下20度)、根雪、雪よけ作業、ジョンバ、ルンペンストーブ、
長靴洗浄器、馬糞風、雪祭り、藻岩山、大通り公園、唐黍(とうもろこし)、
ジンギスカン鍋、スキー遠足、炊事遠足、鈴蘭、ライラック……。
屋根につもった雪は、こまめに雪下ろしをしないと数十センチにもなり、
それが徐々に溶けて軒下に張り出してきて、ツララというよりは、板状の氷の
塊となります。二階の屋根から張り出した氷の先端がツララとなって、地面に達するこ
ともありました。
私は札幌の市営住宅(ブロック建築の平屋建て六軒長屋)に住んでいて、
トタン屋根の傾斜角度が緩やかだったために、降り積もった雪が落ちにくく、
北側の窓や玄関のドアの上に、屋根から張り出したツララ(氷の塊)が
覆い被さるようなことがよくありました。ある年の冬、その氷の塊がたたみ
半畳敷きの大きさになって、いつ何時落下するのか心配でたまらなく
なりました。もちろん下敷きになれば即死です。
そして3月のある日、「ズシイーン」というものすごい地響きと共に、畳の
ような氷の塊が地面に落ちたのです。幸い通りがかりの人が誰も居なかった
けれど、まかり間違えば、私は管理不行き届きの殺人者になりかねない
ところでした。本当は、業者を頼んで、雪下ろしをしてもらうべきだったのでしょう
が、当時のわが家は貧困のどん底で、日々食べて行くだけがやっと
やっとの暮らし向きだったので、氷が自然に落ちてくれて、「やれやれ」と
安心したものです。するとどうでしょう! 家の柱がミシミシと音を立てて
少しずつ伸びたんですよ。家もほっと安心してのびをしたのでしょう。