AWC 上から読んでも下から読んでも作中作   永山


        
#7604/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  13/03/18  17:34  ( 28)
上から読んでも下から読んでも作中作   永山
★内容
作中作を表現する難しさ>
 ここでいう作中作とは、一般的な意味のそれ――つまり、ある作品の中に別
個の作品が丸々入っている――ではなく、作中で固有名詞として挙げられ話題
にされる作品に限ります。
 アニメ「バクマン」を視聴し続けて感じたことなんですが、この作品の中で
言及される(架空の)漫画のほとんどについて、その面白さが伝わって来なか
った気がしたです。なのに、登場人物達はそれらの漫画作品を素晴らしい物と
して語り、それをベースに「バクマン」のストーリーも進むので、何だか白け
てしまって、途中から酷くつまらなく感じるようになってしまいました。
 「バクマン」は元々、漫画業界の舞台裏を描くことが珍しさ、面白さの一部
になっていたと思います。けれども同時に、作中の漫画(「TRAP」や「P
CP」)の善し悪しが読者・視聴者に伝わるよう、力を注いでいた印象も強い。
最近はその辺が疎かというか駆け足になっており、にもかかわらず、「PCP」
より面白い・凄い作品だという風に持ち上げられると、観ているこっちは空々
しさが先に立ち、「バクマン」そのものが嘘くさいストーリーに映ったのかな
と。
 じゃあどうすればいいのか。前半(?)のように丁寧に作中作そのものを描
出すれば問題は解決するはず。でも、実際に読者・視聴者に面白いと感じても
らえる粗筋を、多数用意するのは大変です。想像するに、「バクマン」が端折
り始めたのも、この理由が大きいんじゃないかな? そもそも、よいアイディ
アがいくつもあるのなら、それを使って別の作品ができる。一つの作品に無闇
矢鱈と詰め込むなんてもったいない、という心理が働いてもおかしくない……。
 これの対処には、スピンオフの変形として、作中作のアイディアを本当に作
品化することが挙げられるでしょうけど、読者・視聴者にある程度ネタバレし
ているアイディアを作品化するというのも、ちょっと引っ掛かるものがあるか
もしれず。色んな意味で、難しい。

 ではでは。





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