AWC 本の感想>『どんでん返し』   永山


        
#7459/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  12/12/04  22:35  ( 20)
本の感想>『どんでん返し』   永山
★内容
・『どんでん返し』(笹沢左保 徳間文庫)13/4441
 深夜、別れた男の家を突然訪ねてきた女。酒癖の悪さから人を殺してしまっ
た妻に、夫が感謝の意を表す。別れたくない妻は、別れて別の女と結婚したい
夫に対し、殺してみなさいよと口走る。人気敏腕弁護士が、母と姉の命を奪っ
た失火の原因である父と久方ぶりに対話する。女優が元ボクサーの男と組んで、
旦那の殺害を相談する。難事件を抱えた刑事が、空港に向かう車の中で、知り
合いの素人探偵に協力を求める。
 台詞のみで構成されたミステリ短編集。

 タイトル通り、どんでん返しのあるミステリばかり並んでいるのですが、台
詞のみという縛りの下では、ちょっと苦しいところもあります。ときに説明っ
ぽくなったり、強引な流れになったり、落ちが分かり易くなったりしています。
 それでも、難しい条件を課した作品を六つも書き上げるのは、さすがの腕前。
各編が似たり寄ったりにならないよう、なるべくバラエティに富んだ設定をす
るサービス精神も、素晴らしい。
 昔の作品だけあって、携帯電話がない辺りに古さを感じますが、さほど気に
なりません。台詞のみ故、さくさく読めてテンポもいい。同じ作者による同趣
向の長編があるそうなので、そっちも読んでみたくなりました。

 ではでは。





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