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★タイトル (AZA     )  12/06/09  21:55  ( 19)
本の感想＞『ＯＺの迷宮』　　　永山
★内容
・『ＯＺの迷宮』（柄刀一　光文社ノベルス）１９／６５６２
　男は自分で描いた絵の中で溺れ死んだ？（「絵の中で溺れた男」）。密室に
よる完全犯罪を画策した男と名探偵との攻防（「わらの密室」）。死んだ男の
持っていた小銭から、思い掛けない真相が白日の下にさらされる（「イエロー
ロード」）。行方不明だった男が、半人半馬のケンタウロスを想起させる骨と
なって発見され、過去に起きた、雪上の足跡から馬に蹴られた事故死と思われ
た一件が掘り起こされる（「ケンタウロスの殺人」）。
　本格ミステリと名探偵を描いた短編集。

　名探偵のシリーズ物でやりそうなことを、一冊でやり仰せてしまった。そん
な印象すら抱かせる、大胆な仕掛けの施された短編集でした。それも、連作で
はあってもシリーズ短編集ではないという……。あまり語ると興を削ぐことに
なりかねないので、この辺りでやめておきます。
　個々の作品を見ても、謎の創出に意を注いでおり、不可思議さを堪能できま
す。その一方で、ロジックの光る「イエローロード」や日常の謎を扱った「美
羽の足跡」も収録されており、本格のエッセンスを詰め込んだ一冊だと言える
んじゃないでしょうか。

　ではでは。