AWC 本の感想>『ミステリーとの半世紀』   永山


        
#7131/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  12/03/22  20:44  ( 19)
本の感想>『ミステリーとの半世紀』   永山
★内容
・『ミステリーとの半世紀』(佐野洋 小学館)
 短編ミステリの名手として知られる佐野洋が、ミステリに手を染めてからの
五十年を振り返りながら綴ったミステリエッセイ。

 これは名著。エッセイなのでいつものミステリ用採点はしていませんが、点
数を付けるとすれば、満点を進呈するところ。
 同じ作者による『推理日記』シリーズも、創作意欲をかき立ててくれるエッ
セイですが、本書も比肩すると言えましょう。推理物を志向する人なら、読ん
で損はないはず。
 ミステリの勃興期、このジャンルにかけ、確たるものにしようという熱い息
吹を感じます。裏話的なエピソードも多々載っており、非常に興味深く読みま
した。また、昔の記憶を掘り起こすのに、佐野洋の奥さんが付けていたメモが
大きく役立っている辺り、何だかほのぼのとさせられます。
 個人的には、警察の捜査会議に江戸川乱歩らが列席して、意見を求められて
いたことがあったというエピソードが気になります。乱歩の随筆などで同じ話
は書かれていたと記憶していますが、本書の方が雰囲気というか背景が伝わっ
てくる感じでした。

 ではでは。





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