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★タイトル (AZA ) 12/03/11 22:02 ( 24)
本の感想>『騙し絵』 永山
★内容
・『騙し絵』(マルセル・F・ラントーム 著/平岡敦 訳 創元推理文庫)
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“ケープタウンの星”なる異名を与えられた253カラットのダイヤモンド
が、持ち主アリーヌの結婚披露宴にあわせ、パリの屋敷でお披露目されること
になった。鏡の間を抜け、螺旋階段を昇った先にこしらえられた小部屋に、ダ
イヤはケースに入れられて展示される。このダイヤに関わる世界六カ国の保険
会社は、それぞれ一人ずつ、自国の警官を警備員として派遣する。こうして警
官六名が警備に当たるが、“ケープタウンの星”はいつの間にか、精巧な偽物
にすり替えられていた。
捜査陣は手を尽くすが、ダイヤの行方も犯人も方法もさっぱり分からない。
そこへ追い打ちを掛けるかのように、第二、第三の事件が……。名探偵ボブ・
スローマンが難攻不落の不可能犯罪に挑む。
うむ。面白かった。まあ、このトリックは直感的に、ある程度のところまで
は見破れる。もちろん細かい段取りまでは分からなかったし、気付かなかった
伏線もあったけれど、おおよそこんなことをやったんだろうなとは推測できま
す。だから、途中の、捜査の結果○○はなかった云々とする記述に、え?と思
ったんですが、最後まで読むとやっぱり当たってた訳で、そういう意味では肩
透かしを食った気分。
到底実現不可能なトリックではあるが、これで長編を書き上げてしまう心意
気(?)は好きです。何でわざわざこんな大げさなことをして盗むのかという
つっこみはなし。バカトリックの傑作と言えましょう。
ではでは。