AWC 本の感想>『天使は探偵』   永山


        
#6243/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  10/08/23  20:48  ( 26)
本の感想>『天使は探偵』   永山
★内容
 おっと、その前に、お題募集中だっ。

本の感想>『天使は探偵』(笠井潔 集英社)13/4441
 スキー場に現れた黒装束の男は、リフトに乗っている間に、空中に飛び立ち、
着地に失敗して死亡した?(「空中浮遊事件」)。難コースのゲレンデにばら
まかれたバラバラ死体。新興宗教の女性信者がその直前に、かまいたちの出現
を予告し、ビラを撒いていた……(「屍体切断事件」)。
 八神村営スキー場とその周辺を舞台に起きる、数々の怪事件。推理作家の矩
巻濫太郎と、そのスキーの先生であるインストラクターの大鳥安寿が、謎を解
いて行く、連作集。

 楽屋落ちの匂い漂うキャラ及び舞台設定、過去にテロ事件を起こした新興宗
教という俗っぽい要素の中、本格推理っぽい事件があれこれ展開していく訳で
すが、何か落ち着かない。美味しいんだけれど舌触りが悪い料理を食べたよう
な感触が残る。
 舞台設定と、途中で唐突に示されるテーマが遊離した印象を受けるせいかも
しれません。「探偵は神になれるか?」という従来からのテーマと「天使が探
偵をする」という対比はユニークだけど、やはり唐突。記述者が安寿の探偵ぶ
りを持ち上げる辺りも、読んでいる方としてはそれほど優れた探偵ぶりには感
じられなかったので、心地の悪さに拍車が掛かった気がします。
 こういうキャラ及び舞台設定にするなら、気軽に読める作風で統一した方が
よかったんじゃないかとさえ思えてしまう。でも、この作者は承知の上で敢え
てやっているようにも思えるし……。
 色々と食い足りなさを覚えたのは確か。

 ではでは。





前のメッセージ 次のメッセージ 
「◇フレッシュボイス過去ログ」一覧 永山の作品
修正・削除する         


オプション検索 利用者登録 アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE