AWC 本の感想>『サム・ホーソーンの事件簿6』   永山


        
#6143/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  10/06/08  21:58  ( 25)
本の感想>『サム・ホーソーンの事件簿6』   永山
★内容
・『サム・ホーソーンの事件簿6』
(エドワード・D・ホック 作/木村二郎 訳 創元推理文庫)14/5342
 雪の降った山道を馬に乗って移動していた二人の内、後方の女性が突如消え
る。雪上には何の痕跡もない。伝説の巨大ノスリが連れ去ったのか(「巨大ノ
スリの謎」)。トラクター事故で骨折したのは隣人のせいと逆恨みした男が、
妙なことを言い出した。不思議な指輪の力を使って透明になり、隣人を殺しに
行くという。杖なしでは歩くことさえままならないはずないのだが、果たして
彼の言葉通りに事件が起こり……(「羊飼いの指輪の謎」)。真夏のある日、
密室殺人の現場となった家に入っていったのは、雪だるま?(「夏の雪だるま
の謎」)。
 不可能犯罪を描き続けたサム・ホーソーンシリーズ、最終巻。

 巻末の解説によると、サム・ホーソーン物は七十二作にのぼるとか。さすが
に後期になると、目新しい謎の構築は少なくなっており、本書でも鍵とボルト
の締まった密室が何度も登場します。それでも一定以上のレベルを保ち通した
ことは素晴らしいし、書く立場から言うと驚嘆ものでしょう。作者のホックは
二〇〇八年一月に心臓発作で亡くなりましたが、このシリーズ最後の七十二作
目は同年の五月に、一つ前の七十一作目は二〇〇七年十一月に雑誌掲載された
そうで。七十七歳を過ぎてなお旺盛な創作活動ぶりには、本当に驚くばかり。
 本書では、年代が第二次大戦の頃となっており、物語の所々にそれを感じさ
せるエピソードが描かれている。中には、結末とうまく絡めた物もありました。
 また、主人公のホーソーン医師が結婚し、子に恵まれる過程も徐々に描かれ
ていて、六巻に及ぶシリーズの歴史を感じさせます。

 ではでは。





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