#5479/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA ) 09/05/03 01:11 (120)
大道芸を観に行こう>風船太郎 永山
★内容
TBS系列で放映されている「あらびき団」。その“団員”の中でも鉄板の
芸を誇る風船太郎が、いつものスーパーの催し物に登場ってことで、観に行っ
てきました。以前にも観るチャンスはあったのですが、逃してきたので、非常
に期待が膨らんでいました――風船だけに。
初回開演の一時間十分前に到着し、会場を覗くと、ベンチがぽつぽつと埋ま
っている程度。場所取りに荷物や敷物の置かれたベンチもありましたが、まあ、
少なめ。これは意外と知名度は高くない?と思いつつ、本を読んで待っている
と、どんどん人が集まってきて、三十分前には満席に。
小さな子供連れの他、中高生と思しき若い女の子が多いのは、ピエールのと
きと客層が違うなあ。風船太郎が登場するや、黄色い歓声が飛びましたし。
※以下、風船のことをバルーン、風船太郎を風船と表記します。
細長いバルーンを組み合わせて作った帽子やネクタイで着飾った風船、まず
は萎んだバルーンを取り出し、一息で膨らませてみせる。これを繰り返してか
ら、いかに膨らませるのが大変かを体験してくださいってことで、観客にバル
ーンを配る。よーく伸ばして、柔らかくしてから膨らまそうとするも、とても
無理です。そんな客席を眺めて満足そうな風船は、レクチャーを続ける。する
と二人ほど膨らませることに成功しました。
風船は「まさか成功する人がいるとは思わなかった。これは意地を見せない
と」てなことを言って、なんと、指で擦るだけでバルーンを膨らませました!
――袖に通したホースから空気を入れて。
笑いが収まるのを待ち、今度は真面目に(姿は不真面目でしたが)、鼻で膨
らませ、また笑いを取る。
膨らませたバルーン二本を持つと、「これである物を作ります」と宣言して、
「今日は特別に」と、バルーンを背中に回し、次に前に持って来たときには、
ブーケの形に!――背中側のズボンの裾に、真っ直ぐなバルーンが二本挟んで
あるのですが。
その他にも、膨らまないバルーンを丸めて、いつの間にかスーパーボールに
したり、同じくステッキにしたり、膨らんだバルーンを客席に向けてぽんぽん
飛ばしたり、あるいはいきなり割ってみせたり。ふじいあきらがよく披露する、
細長いバルーンを丸呑みにする芸もやってました。
そして、最前列、ステージのかぶりつきにいる小さな子供達に、バルーンを
気前よくあげる。その度に、「いいなあ〜」と声を上げる女子高生らしきグル
ープ(笑)。ちなみに、鼻で膨らませたバルーンもプレゼントしようとして、
当人は拒絶されると思っていたらしいのが、子供らが嬉々として手を伸ばすか
ら、自分で「これ鼻水いっぱいだから」と言って、引っ込めてました。
こういったショーではお約束、観客に手伝わせるのは四回ありました。最初
は小さな女の子で、風船は被っていた帽子とネクタイをプレゼント(女子高生
「いいなあ〜」)。実はこの子、最初のブーケももらってます。最初は風船も
避けて、他の女の子を選んだのですが、その子は指名された途端怖じ気づいて
しまい、結局、積極的な最初の子に。
で、女の子にペンを持たせてその先でボールを回し、「はい、ボールペン」。
次にマジックペンを持たせ、その手前で白紙のノートを何度か前後させると、
次に開いたとき、中に絵が出現し、さらには色が着くというマジック。基本、
駄洒落の人ですな〜。大いに受けていたのですが、女の子が、「そのノート、
保育園にある」と言って、美味しいところを持って行きました。
次は小さな男の子。バルーンを色々と持たせ、髷と脇差し、刀をあっという
間に作ると、侍に仕立て上げました。バルーン刀で青竹バルーンを斬り付ける
と、一本目は破裂。ところが二本目は何度やっても割れない(切れない)。風
船いわく、「刀の向きが逆」ってことで、向きを直して再チャレンジすると割
れた。
三人目は、次は大人のお手伝いをと前置きしたので、例の女子高生グループ
が猛烈アピール。その甲斐あって、うち一人が選ばれました。ドライヤーみた
いな道具を使い、青い巨大バルーンを膨らませる役目です。その間、風船は上
着を脱いで、あらびき団登場時のおなじみのスタイルに。そうして直径二メー
トル強ほどに膨らんだバルーンを受け取ると、何度か客席に向けてステージか
らはみ出させ観客をびっくりさせたあと、いよいよバルーンの中に風船が入り
ます(変な文章だ)。吹き口から頭を突っ込み、まずはそのまま仁王立ち。で
かい青頭の怪人といった風情で、何ともおかしい。そこから片腕ずつ中に突っ
込んでいき、身体も徐々に入れていきます。当然、空気は少しずつ漏れるので、
バルーンも小さくなっています。全身を入れることに成功した時点では、ほと
んど空気が抜けていました(意図的に抜いたんでしょうけど)。バルーンの表
面に風船の肉体がぴっちり浮き出て、それがまた笑いを誘う。そのままだと苦
しいからってことで、お手伝いの子に機械で空気を補充してもらいます。適当
な大きさになったところで、よちよち歩きの要領で進み、バルーンの向きを換
えて、吹き口を上に持ってくる。そこから頭だけを出すと、だるまさん状態に。
バルーンの中で両手を小刻みにばたつかせると、その振動がバルーンに伝わり、
全体も揺れる。この辺り、爆笑続きです。
そして、予め並べておいた大中小三つの脚立の小の側まで、ぴょんぴょんと
移動。手をしきりにばたつかせた後、ジャンプ、ジャンプ、ジャンプ! テレ
ビとは違い、見事に成功、拍手喝采(「あらびき団」ではわざと失敗して巨大
バルーンを破裂させ、笑いを取る)。
さて、締めの言葉とともに一礼した風船、マイクに向けて低い声で自ら「ア
ンコール、アンコール」とやり始める。当然、こちらももっと観たいから瞬く
間にアンコールの手拍子。風船、乗せるのがうまいなあ。
アンコールを受けてすぐさま始めるのかと思いきや、「ちょっと待って。急
にお腹が痛くなってきた。さっき食べた風船(バルーン)、腐ってたみたい」
とうめき、お腹を押さえる。次にお尻を。そして股の間から、萎んだバルーン
を引っ張り出す。しかも、食べたときはピンク色だったのが、茶色になってる。
それを膨らまし、客席に向けて飛ばす「空飛ぶ○んこ」……下ネタ。
さて、最後のネタは、巨大バルーンに入りたい人を客席から募る。もちろん、
大人が対象で、さすがに挙手した人は少なかったけれど、長髪に眼鏡の男性が
選ばれました。さらにもう一人、その手伝いとして髭の男性も。
レクチャーの後、長髪の男性(安全のため眼鏡は外した)が巨大バルーンに
入る。さっき風船がやったときよりも、バルーンが縮むのが早い。それでもど
うにか成功し、中から頭を出す男性。このとき、漏れ出る空気に長髪が上向き
になびき、予期せぬ笑いが生じてました。いくらかやり取りを経て、また頭を
バルーン内に引っ込めてもらうと、空気がほとんど抜けて布団圧縮パック状態
に。嫌、安全は確保されてるのでしょうけど。長髪男性の身体の形がしっかり
浮き出て、まるで青い彫像です。急いで空気補給し、復活。それから風船が串
でバルーンを割って、おしまい。
最後に、ちびっ子へのプレゼントってことで、中に何かもこもことした物を
詰めた巨大バルーンを持ってくると、髭の男性とその奥さんに串を持たせ、ス
テージ最先端に立ってもらいます。「結婚*十年のお祝いを兼ねて」という口
上と共に、巨大バルーンを放り、それを串で刺してもらう。一瞬にして割れた
バルーンからは、色とりどりの小さなバルーンが飛び散る、という仕掛けでし
た。
で、関西だからなのかどうか、ほとんどの子供達は一人で三つも四つもバル
ーンを抱え、持って行ってました。
初見だったこともあり、長いレポになりました。表現が難しいですね。特に、
バルーンに入るくだりは、もっと描写の仕様があると思いますが、とにかく笑
いが先に立って、レポートの文章をその場で考える余裕がなかったです。
何よりも感心したのは、風船太郎の話術のうまさ。無論、バルーンを操るテ
クニックを伴ってこそですが、今までに同所で観たマジシャンの誰よりも、う
まかったと感じました。肉体芸の一面もあるのに、なるべく息を整え、当意即
妙に応対できるのは素晴らしい。
と、ここまで書いてから、時間があったので午後五時からの回も観に行って
きました。ショーの構成は同じでしたが、流れの都合上、唯一、バルーンを食
べる芸だけありませんでした。なのに、下ネタの茶色いバルーンはやった。
元々、練り込まれて完成度が高い分、ちょっとした変更でも影響が大きい、
といった感じでしょうか。忘れていたというよりも、省くのがもったいなかっ
たのかしらん。
あと、この回は子供の観客がよくなかった。何人もが、ショーの最中なのに
ステージ上のバルーンを触ろうとする、というか、触ってた。乗りも初回の方
がバルーンショーには合っていました。朝早い回には、風船太郎が観たくて集
まった人が多く、夕方の回は買い物ついでに観て行こうという人が多かった、
ということかもしれません。
ではでは。