AWC 本の感想>『九月の恋と出会うまで』   永山


        
#5295/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  08/12/24  21:51  ( 20)
本の感想>『九月の恋と出会うまで』   永山
★内容
・『九月の恋と出会うまで』(松尾由美 新潮社)17/4652
 二〇〇四年の夏、ささいなことから引っ越しを決意した北村詩織は、少々苦
労した末、割安なマンションに入居することができた。
 数日が経過し、落ち着いた頃、趣味のカメラに関する作業をしていた詩織は、
どこからともなく声が聞こえてくることに気付く。エアコン用の穴から聞こえ
てきたその男の声は、一年後の世界にいると言い出した……。
 SFとミステリの両分野で活躍する著者が、本領を遺憾なく発揮した、切な
くも温かいストーリー。

 およそ色っぽさとはかけ離れた、「エアコン用の穴から聞こえてくる、未来
からの声」なんていう道具立てにも拘わらず、このような物語を紡ぎ出すなん
て……恐れ入りました。
 ラブストーリー。時間物のSF。サスペンス溢れるミステリ。心理的ホラー。
様々な顔を持つこの作品で、大きな柱であり、魅力となっているのは、やはり
最初の二つ。これらを足して、ロジカルな恋愛小説という物を堪能しました。
エピソードの取り入れ方は上手いし、一部の予定調和もむしろ気持ちいいほど。
 事前情報がほぼゼロの状態で読むべき小説ですので、多くは語りませんが、
お薦めです。特に、甘いのが好きな人には(食べ物の好みじゃありません)。

 ではでは。





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