AWC 分速10フィート足らず   永山


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★タイトル (AZA     )  08/05/30  19:19  ( 36)
分速10フィート足らず   永山
★内容                                         08/05/31 01:45 修正 第2版
 録画していたアニメ映画「秒速5センチメートル」、やっとこさ視聴。以下
の雑感で、ストーリーに触れています。ご注意を。

 三話からなる連作で、一時間あまりというのはやはり短い気がします。
 一番長くなるべきであろう第三話が実際には最も短く、あれだけでは省略し
すぎで、“様々な解釈が可能”を越え、分からないの域。これは叙述トリック
的な仕掛けがあるのかと思い、メールを送信する場面と受信する場面をつない
であっても、実は違う相手に送って&違う相手から受け取っているのかと、勘
ぐってしまいました(笑)。
 第二話はメールの使い方がうまいですね。観る側の思い込みをひっくり返し
てくれる。で、そのあと、相手が既にこの世にいないんだと想像した私はやっ
ぱりミステリ寄りの人間です(苦笑)。あ、トレーラーが通り過ぎるのを待つ
シーンでの会話もよかった。
 第一話はもっと短く描くこともできる内容でしょうが、ここを長くしたから
こその連作という気もしますし、このシンプルなストーリーを単独の作品とし
て成り立たせるには、あれだけの長さが必要なのかも。中一の二人が納屋で一
晩過ごすのは、第一話は現実味を追求してませんよ宣言かな?

 音楽の使い方は文句なし。絵は、女性キャラの描き分けを、もうちょっとだ
けしてほしかった。あと、第一と第三話とで、貴樹を演じる声優は同じなのに、
明里を演じる声優が異なるのは、物理的・実際的要請なのか、それともストー
リーに合わせたのか。
 タイトルの意味、観る前は正反対に解釈してしました。

 現実を描くこと、リアルに徹することが直ちに“よい”とは思わない。けど、
本作は現実を描くことで、当然付随してくる切なさや苦さ、悲しさだけでなく、
それ以外のものも示している。手放しの賞賛はできなくても、何だかいい、琴
線に触れる物語でした。


 そんで、検索してみると、二話から三話までの間の補完を兼ねた小説版が出
ているそうで。読む前に人の感想に目を通してしまいましたが、映画とはかな
り印象が違って来るみたい。気になります。

 ではでは。
 計算間違いしてた。orz





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