#4796/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA ) 08/02/14 21:53 ( 24)
動機の問題 永山
★内容
ドラマCSIシリーズを観ていて感じることに、最新科学捜査の醸す知識的
魅力に寄りかからず、動機の設定で物語に深みを出しているなあ、というのが
あります。
ミステリでの動機の設定・構築……私自身は正直言って、得意じゃありませ
ん。
よく使うのは、ありがちな恋愛関係のもつれやお金、復讐といった辺り。こ
れらは、さほど筆を割かなくても読者に把握してもらえる分、他の要素に力を
注げる。自作に限らず、いかにもな本格推理作品には、このタイプの動機が多
いような気がします。
ただ、深みを与える云々とは別に、動機そのものの意外性が、本格推理とし
ての作品を支える大きな柱となる場合もある訳で、蔑ろにすることはできませ
ん。
話を戻しまして。
変わった動機を思い付いたとき、それを意外性として作品に活かす術なら、
理解しているつもりですが、深みを与えるために活かす術となると、迷ってし
まいます。動機を設定したはいいが、読者に理解(共感ではなく、こういうこ
ともあり得ると納得できる、の意)。してもらえるよう描くのが難しい。
で、この前放送されたCSI−NYの動機は、参考になるかもと感じた次第。
詳しく書くとネタバレになるのでやめますが、哀しさと情けなさが合わさった
動機とでも言えばいいのか。やったことが実は無駄だったという構図は、私と
ってなかなか魅力的な設定です。
いずれ応用するかもと予告して、ハードルを自ら高くしておく(苦笑)。
ではでは。