AWC 本の感想>『衣装戸棚の女』   永山


        
#4696/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  08/01/03  23:02  ( 26)
本の感想>『衣装戸棚の女』   永山
★内容
・『衣装戸棚の女』(ピーター・アントニイ/永井淳 訳 創元推理文庫)
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 自他共に認める名探偵のヴェリティ氏、朝の一泳ぎに向かう途中で、奇妙な
光景を目撃した。ホテル二階の窓から、男が出て来て、隣の部屋の窓から入ろ
うとしている。注意を促すべく、ホテルに足を向けたヴェリティだったが、折
も折、くだんの不審人物が降りてきて、人が殺されたと訴えている。問題の部
屋に駆けつけると、ドアは内側から施錠されて開かない。破って入ってみると、
確かに射殺体が転がっており、その上、衣装戸棚の中には拘束された女がいた。
窓を調べると、これまたいつの間にか鍵が掛かっている。
 戦後最高の密室長編ミステリと賞賛された傑作。

 えー、上で傑作と記しましたが、飽くまで世評であって、個人的にはそこま
では達していない気が……。
 密室トリックは、読んでいるときは分からなかったけれども、種明かしされ
てみると、同様の発想をしたことありました。私はそれを、密室トリックに用
いることは思い付かず、何といいますか――ネタバレにならぬようオブラート
に包んだ表現をすると、“探偵に嫌な思いをさせる手段”の一つとしてアイデ
ィアメモに残しています。そのせいか、感興が薄れてしまったのかもしれませ
ん。感心するほどの使い方でもなかったし。
 ストーリーはどんでん返しがいくつもあって、起伏に富んでいます。が、ど
の“どんでん”も決定打にならないことは、インパクトからも残りページ数か
らも(笑)明らかなので、たいして「おお!」と思えず。ユーモアあふれる展
開は、舞台劇で見せてもらえると、堪能できるかもしれません。

 ではでは。





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