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★タイトル (XVB     )  07/11/14  02:31  ( 48)
ウは宇宙船のウ＞亡命した人々   ＄フィン
★内容
ウは宇宙船のウ＞亡命した人々
『亡命した人々』

著者　レイ・ブラッドベリ
（東京創元社　ウは宇宙船のウから）

鎮魂物語みたいでした。最初ハムレットにでてくる三人の魔女が、火星に向けて来る宇
宙船の乗組員に呪いをかけて、殺そうとしているところだった。その前にも何人が殺し
ているようで後のことを読んでいないどるちゃんは、この宇宙船の乗組員が正義で三人
の魔女が胡散臭い悪人のように思えました。
そして場面がかわって火星では、ポオ、アンブローズ・ビアス、ディケンスなどがい
て、宇宙船が来るのに危機感を持っていた。というのも、宇宙船が来る時代地球では彼
らの作品は幽霊や妖精、吸血鬼とかの恐怖や迷信は禁書とされ燃やされ破壊されていた
のだった。
本を書いた作家たちはご存知のように死んでいる。だけど本に宿っている言霊というも
のたちが、迷信や恐怖のない綺麗で衛生的で健康的な世界から亡命して火星に逃げてい
るのだった。
文の中でビアスが燃えあがり、青い灰と黒こげの死体になったところでは地球でビアス
の書いた最後の書物が焼かれて、言霊であったビアスも消滅したところなどはあわれを
さそう。
そして最後に、地球から持ってきた恐怖や迷信をモチーフの書物は宇宙船の乗組員によ
って焼かれたとき、言霊たちもいなくなってしまった。

火星に宇宙船の乗組員が降りてきたときに書ける言葉が印象に残る。
「ここにはまったく人っ子ひとりいないじゃないか？　ここにはまったくだれもいない
のだな」

蛇足のコーナー
宇宙船の船長が持ってきた禁書の一覧
エドガー・アラン・ポオ著『神秘と想像の物語集』
ブラム・ストーカー著『吸血鬼ドラキュラ』
メアリ・シェリー著『フランケンシュタイン』
ヘンリー・ジェイムス著『ねじの回転』
ワシントン・アーヴィング『スリーピー・ホローの伝説』
ナサニエル・ホーソン著『ラパチーニの娘』
アンブローズ・ビアス著『アウル・クリーク橋の一事件』
ルイス・キャロル著『不思議の国のアリス』
アルジャーノン・ブラックウッド著『やなぎ』
フランク・ボーム著『オズの魔法使い』
Ｈ・Ｐ・ラヴクラフト著『インスマウスの影』
その他作家名だけ
ウォルター・デ・ラ・メア
ウェイクフィールド
ハーヴィ
ウェルズ
アスキス
ハクスリー