AWC 本の感想>『気分は名探偵』その3,4   永山


        
#4599/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  07/11/05  23:11  ( 27)
本の感想>『気分は名探偵』その3,4   永山
★内容
・『気分は名探偵』(我孫子武丸・他 徳間書店)16/5542
 気鋭の本格ミステリ作家六名からの挑戦状。犯人当てアンソロジー。

 以下、ネタバレ注意&既読の人にしか分からない書き方をしています。

 我孫子武丸「漂流者」。簡単かんた……半分しか当たらなかった。でもこれ、
専務の年齢を決め付ける理屈が納得できない。社長と一緒に大手のプロダクシ
ョンを独立し、以来十年間やって来たというだけで、少なくとも三十五を超え
ていると言えるか? 専務は独立したときはタレントで十代だった、売れない
から裏方に転向して専務に収まったとも考えられるじゃないか。
 この穴のせいで、正解として示された推理が、ロジックとして成立せず、単
なる推測で終わっている。ユニークな問題だけに惜しい。

 霧舎巧「十五分間の出来事」。簡単かん……外れた。外れたから言うけど、
これは無理筋論理だなあ。ピアスさえ隠れれば、今時、よくある風体だろう。
パーサーは職業経験上、そういう乗客を幾人も見かけてきたのかもしれないし。
 ちなみに私の推理は……傍若無人に振る舞っていた男は、元は新幹線の車掌
で解雇された。作品に登場する車掌は男の先輩で、トイレ前でのトラブルの際、
男は平身低頭していたが、これまでのむしゃくしゃが爆発し、殴り倒す。酔い
もあって殺したと勘違いした男は、車掌の身体を洗面台かトイレに引き入れ、
ビールをこぼして濡れた服を車掌の物と取り替えた。つまり、気絶していた男
は車掌だった。パーサーは顔以外で人を覚えるため、特徴的なアロハシャツの
みを覚えていた。鉄っちゃんはカメラを構えていたところをいきなり殴られた
ので顔をよく見ていない。漫画を俯いて読んでいた若者も同様。
 ……って無理矢理過ぎる(苦笑)。

 ではでは。





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