AWC 本の感想>『密室殺人ゲーム王手飛車取り』   永山


        
#4474/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  07/09/17  19:35  ( 25)
本の感想>『密室殺人ゲーム王手飛車取り』   永山
★内容
 今日は世界柔道、総合格闘技とテレビ観戦が連続するので、本の感想を棚卸。

・『密室殺人ゲーム王手飛車取り』(歌野晶午 講談社ノベルス)          
                         13/5440
 その五人はインターネット上で集まり、殺人ゲームを行っていた。一人が出
題者となり、他の四人が解く。これだけなら単なるミステリクイズごっこと似
たり寄ったりだが、彼らのゲームには一つだけ、大きな違いがあった。
 出題される問題は、全て現実に起きた、否、現実に起こした犯罪なのだ……。

 この題名から、将棋ミステリだと思って手に取る人が大勢いそう。
 上の粗筋でも触れたように、将棋とは全く関係ありません。題名の意味は、
ちゃんと分かるように書かかれていますが。
 各人の出題が描かれているので、連作とも言えるし、全体で一つの長編とも
見なせる構成になっています。が、長編として読むと、きれいな落ちがないた
め、据わりが悪く、いまいち。一応、長編のための前段階のネタがあるのだけ
れど、各出題の中でそれが一番簡単なのも、少し難点かと。尤も、他のアイデ
ィアもどんぐりの背比べで、小ネタ・捨てネタの寄せ集め的印象が強いです。
 それらを使って、それなりに読める物に仕立てたのはたいした腕前だし、今
この時期に発表するというのも、己の作品の性格?をよくわきまえているな、
と。
 この設定でこの作者なら、もっと面白い物が書けるはず、という気がしてな
らないため、どうもマイナスイメージの感想になりますが、読む分にはさらっ
と読めて後味の悪い(笑)作品です。

 ではでは。





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