#4272/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (XVB ) 07/07/18 01:50 ( 21)
感想>SF傑作選(下)>胎動 $フィン
★内容
『胎動』
著者 マイクル・ビショップ
(早川書房 80年代SF傑作選(下)より)
他の人によると、この本の出だしは「リバーワールド」に似ているらしい。でもどるち
ゃんはその本を読んでいないのでわからない。なんでも「リバーワールド」の世界観は
一度死んだ人間が別のところで復活するらしい。…と説明されればそんなものかなぁと
思ってしまう。
この胎動は、主人公をはじめ全世界の人間が目を覚ますとまったく別の海を隔てた遠い
ところにいて、服も違っているのでした。人々は戸惑いさ迷います。主人公は英語とス
ペイン語をほんのちょっぴり知っていて、同じ言語の人々が集うように仕向けます。そ
れで、英語圏の飛行場から、自分の住んでいたところに飛行機で飛び立とうとする人々
もいますが、離陸の際に失敗し焼け死んでしまいます。結局人々は、その場で新しい生
活を営みます。
というのが内容。最初はどるちゃん宇宙人か神それ以上の存在がバベルの塔の破壊のよ
うに人種もすむところもぐちゃぐちゃにして、地球侵略するのかと思ったけど、それら
しき影は現れない。人々はどう生きるかに物語は焦点を結んでいきます。こうなる前に
あった文化(チェスを代表する)は消えていき、以前の建物はつぶされ、そして、新た
な文化が起ころうとしているラストは少し感動的なものでした。