AWC 読了>悠木歩さんの『青い宇宙と青い空』   永山


        
#4148/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  07/05/29  18:05  ( 62)
読了>悠木歩さんの『青い宇宙と青い空』   永山
★内容
 待望の新作。あのシリーズの続き物ですね。
 先に、気になった箇所の指摘です。今回、引用部の加工はありません。

@引用開始(指摘付き)@
 最初にルベールはさんは、スケッチブックという白い紙を束ねたものを広げま
        ↑余分な「は」

「これは森トカゲ、こっちはマダラネズミ。で、これはバネトビヘビ、毒を持っ
ているから、気をつけたほうがいいよ」
↑リンダはこのとき初めてこれらの生物を知ったようですが、危険な生物の存
在を教えるために、彼女が村で暮らすようになってすぐにでも様々な生物の絵
を見せておくべきでは

「だけど、地球には人間の他にもたくさんの生き物が住んでいた。彼らはどうな
                        ↑
     変換ミスだと思いますが、人以外の生き物の場合は「棲んでいた」

 トキオも身を乗り出します。だってルベールさんの言い方は、自分はそう思っ
ていなと言っているようなものなのですから。ルベールさんはどう考えているの
   ↑「い」脱字

 どーん、という大きな音とともに、ヘッドが激しく揺れてトキオは飛び起きま
                 ↑「ベッド」?

「どうくつ」
「えっ?」
「どうくつだよ、この先に洞くつを見つけたんだ」
 ↑ここは二回目だから漢字「洞くつ」でいいのでは

ゆらっ、といった感じに、三人の前で何かがゆれました。
↑行頭一マス下げ忘れ?
@引用終了(指摘付き)@

 切ない。特にメグが亡くなるくだり。
 このエピソードを取り出して、じっくり書き込めば立派な物語になる――と
感じさせられたのは、人物描写がしっかりしているからでしょう。さほど深く
書き込まれた訳ではないのに、人物像がくっきり浮かび上がる。

 人物以外の描写も冴えていて、たとえば忍者カマキリを捕らえる場面や、ル
ベールの絵の様子などは、脳裏にしっかり描くことができました。瑞々しいと
いうか、清々しいというか。
 多分、悠木さんも好きなことを書くに当たって、いつも以上に筆が乗ってい
たんだろうなと思います。

 ラストはあっさりしすぎの気も。
 と言っても、捜索の模様や洞くつを埋めるまでの経緯にもっと筆を割いてほ
しい、などという意味ではなくて。
 もう少し余韻を残す締め括りを、こちらで勝手に期待していた部分があって、
ちょっと物足りなく感じてしまったのかもしれません。ラストの一つ手前の段
階で、光るコケを原料にした絵の具をこしらえ、絵を描くのかなと予想したせ
いもあるでしょう。

 光るコケの能力(と思しき現象)は、『火星年代記』や『ソラリスの陽のも
とに』を想起させますね。SFでは普遍的なテーマなのかしらん。最初、光学
的な何らかの現象だろうと考えた私は、やはり推理畑の人間です。
 付随して、敵から身を守るために、恐ろしい物を見せて追い払うのと、望ま
しい物を見せて油断させるのとでは、どちらが効果的なんだろう……なんてこ
とまで気になってしまった(苦笑)。

 次回作のプランもすでにできているようで、楽しみです。

 ではでは。





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