AWC 本の感想>『Q.E.D. 証明終了』26巻   永山


        
#4037/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  07/03/28  23:16  ( 34)
本の感想>『Q.E.D. 証明終了』26巻   永山
★内容
 と、その前に。

 悠歩さん、お帰りなさい。
 ゆっくり養生してください。本格復帰を待っています。

本の感想>『Q.E.D. 証明終了』26巻(加藤元浩 講談社コミックス)
                           17/5462
 工事現場から、可奈が子供の頃に埋めたタイムカプセルが、たまたま見付か
る。中身は、今となっては何で取っておいたのか首を傾げてしまうような物ば
かり。中でも、野球に全く興味のない可奈が、どうして硬球を入れたのか。当
時のことをきれいに忘れている可奈に対し、ある男子生徒が意味深な言葉を吐
く。小学三年生の夏休みに何があったのか(「夏のタイムカプセル」)。
 評判のレストランで、店の出資者が殺される事件が発生。現場である地下の
倉庫は密室だった。警察がその謎を解けない内から、料理人の村瀬が自供する。
密室の謎は明かされない。村瀬の行動は何を意味するのか(「共犯者」)。
 プロのミステリ作家も注目の本格推理コミック第二十六弾。

 個人的に、「夏のタイムカプセル」を本シリーズのベストに推します。いわ
ゆる日常の謎を取り上げたエピソードで、本格テイストは薄い物の、ちりばめ
られた手掛かりが次々につながり、一つの真実を浮かび上がらせる手際は見事。
ぞくぞくっと来ました。
 同時に、ほろっとなりました。探偵役で主人公の燈馬想って、「人間の感情
には疎い」と設定されているのに、全然そんなことない。解き明かしたあとの
フォローが、素敵だと思う。
 もう一編の「共犯者」は、本格色が濃い作品。密室トリックに新機軸を持ち
込んだ意欲作とも言えましょう。詳しく書くとネタバレになるから、ちょっと
だけ触れると……心理によるコントロールで密室を構成する、といった感じか
な。枝葉末節の部分で、少し無理を通した点が惜しい。
 村瀬の自首にしても、どんな裏があるのかと興味を引っ張られ、最後に「あ
あ……」と、やられた感を味わわせてくれました。
 そして本シリーズが、このレベルを長く保っていることに感服。基本的に一
人で話を作って描いているというから、また驚きです。

 ではでは。





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