AWC 本の感想>『魔夢十夜』   永山


        
#3941/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  07/02/09  23:41  ( 30)
本の感想>『魔夢十夜』   永山
★内容
・『魔夢十夜』(小森健太朗 原書房・ミステリーリーグ)16/6541
 丹崎恵は高校二年に進級したのを機会に、学校の寮に移る。それとともに文
芸部に入ることも決めた。部員の中にプロの作家がいるらしいと分かり、知り
合いになりたくなったのだ。先輩部員に尋ねると、確かにプロ作家がいるが、
部内にあるインナーサークルがグループ作家としてプロ活動をしている、ただ
始祖のメンバーが誰なのかは教えられないとのことだった。
 入部した恵に、ルームメイトとなった藍野望が頼み事をしてくる。恵が来る
前のルームメイトだった藤堂千津香が自殺しているのだが、その原因は文芸部
内でのいじめが原因ではないかと考えた藍野は、恵に部の内情を探ってほしい
という。恵はインナーサークルのメンバーに接触する方法を調べる目的も兼ね
て、引き受けた。
 ところが、調べを進める内に、恵の周囲で妙な事件が起こるようになる。怪
しげな集会、自殺した千津香と同じ格好をした女生徒の首吊り死体、十分と間
をおかず同じ場所に墜落死した二人の被害者……。
 呪いと論理、ここに出逢い、そして別離(わか)れる。

 誉めるとこも貶すとこもあるんだけど、ちょっと書いただけでネタバレにな
りそうなので、やめとく(苦笑)。前提となる仮説や証拠にやや疑問があるも
のの、推理の過程は美しかったと思います。それとは別の意味で、犯人は分か
りやすいような気もします。テレビのサスペンスドラマ的で。
 立て続けに墜死した被害者の謎。これが悪魔的で素晴らしかった。いや、普
通ならもっと手軽な方法を採るとは思うのだけど。
 同じ作者の他作品とキャラクターが被っているらしいのだけれど、正直、関
心を持たせるような書き方をしてないから、置いてけぼりを食らった感じ。事
件の本筋にはほぼ無関係と言っていいし、なくてもよかったんじゃないかなあ。
 あと、一箇所、クラス名の誤植があって、ストーリーと関係あるのかと気に
なった。その直前に、人名による微妙な場面があっただけになおさら。紛らわ
しいったらありゃしない。

 ではでは。





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