AWC 本の感想>『リピート』   永山


        
#3286/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  06/03/19  21:36  ( 24)
本の感想>『リピート』   永山
★内容
・『リピート』(乾くるみ 文藝春秋)17/5552
「今から約一時間後の午後五時四十五分に、地震が起きます」
 就職が決まり、あとは卒論を完成させるだけという大学生・毛利に、九月一
日の午後四時半頃、一本の電話が掛かってきた。悪ふざけにしか思えない内容
だったが、その予言は見事に的中する。
 予言の能力の真偽は? 偽だとすれば、どうやって? 相手は何者で、どう
して毛利を選んだのか。
 様々なジャンルの要素を兼ね備えたジェットコースター的ミステリ。

 本の帯などには、上記の粗筋よりも内容に踏み込んだ文章が書かれていると
思いますが、そういった事前情報は一切なしに読むことをお勧めします。
 てなことを言うからには、感想の方も筆が縮まざるを得ない訳で。ただ言え
るのは、これは紛う事なきミステリであり、映画化に適した題材だなと。邦画
ではなく、洋画の方がいいかもしれませんが。
 細々した点で、「え、そっちに(話が)行っちゃっていいの?」と疑問を感
じる箇所がなくはないのですが、それを飲み込むだけの勢いがありました。
 あと、時代設定に留意しているところは、隠れたポイントかも。現代なら、
こういう展開にはまずならないでしょう。
 乾くるみ作品は、長編では確かデビュー作しか読んでいません。その際、内
容がセクシャルだったことと、読みにくさが感じられたことで、どちらかと言
えばネガティブなイメージを持っていたのですが、本作によって払拭されまし
た。こんなに引き込まれる物語を書くのなら、いくらでも読みたい。

 ではでは。





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