#3282/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA ) 06/03/16 20:38 ( 20)
本の感想>『猫丸先輩の空論』 永山
★内容
・『猫丸先輩の空論』(倉知淳 講談社ノベルス)14/4460
ベランダに連日置かれるペットボトル。事故現場にタクシーを何台も呼びつ
ける“鈴木さん”。おばあさんは飼い猫四匹の内、一匹だけを差別している?
テントの中にあったスイカ十五個中、七個が破壊される。大食い&早食い自慢
の女子大生が、楽勝と思われたステーキを前に逃亡した理由とは。夜、会社で
一人残業しているところへ、徐々に近付いてくる電話のベル……。
年齢不詳で童顔、猫のようなまん丸の目を持つ猫丸先輩が、落語のような語
り口で謎を解かずに解釈してみせる短編集。その第二弾。
うーむ。第一弾の『猫丸先輩の推測』に比べると、随分と落ちた気がします。
冒頭の作品で、言及されないまま放置された手掛かりがあって、何だかなあと
思い、続く二、三番目はすぐに想像が付いた。四つ目は外れたものの、落ちは
最初の数行を読んだだけで分かった……という具合でしたから、全体的に謎が
簡単になっているんだと思います。それなのに、分量は逆に引き延ばした感じ
があって、その結果、薄味になった印象が非常に強い。期待が大きかった分、
これは残念。
まあ、「推測」から「空論」になった証と取れなくもないのですが……じゃ
あ、次は「妄想」か?とか思うと、悲しい(苦笑)。
ではでは。