AWC たとえたとえばたとえる   永山


        
#2925/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  05/06/12  01:08  ( 56)
たとえたとえばたとえる   永山
★内容
 らいとさん、早とちりではないですよ。
 んで、戻って来て疲れもとれてきたんで、感想を書き始めたんですけど、出
先にてオンラインで読んだ際、誤字指摘をちゃんとメモしてなかった。数箇所、
思い出せない……読み直そう……なんて考えてると書けなくなる可能性がある
ので。

読了>目三笠さんの『日常と狂気と猟奇』 ※ネタバレ注意!
 私も筆名の読み方、分からなかったです。

@引用開始(指摘付き)@
下身も同じ手順でおろして、内蔵を中骨から剥がしていく。
:「内蔵」→「内臓」

「例え話でもしようかしら。
:「例え話」→「譬話」
@引用終了(指摘付き)@

 ほとんどの人は「たとえ」の書き分けに頓着しないなあ、と前から感じてる
んですけど、どうなんでしょ? 私も基本的には平仮名「たとえ」で通してい
るから、書き分けてないことになるけれども、「例え」で統一するのは語源の
面で支障ないのかしらん(詳しく調べたことないので分かりませんが)。

 内容について。
 最後の方で偶然が顔を覗かせるのは、ちょっと興醒めかな。そこまでの道行
きは引き込まれて読んだし、仕掛けが満載で嗜好には合いました。
 人物入れ替わりのアイディア自体は面白い。目新しくはないかもしれないけ
れど、巧みな使い方だと思いました。
 人物呼称(性差トリック・男女トリック)の方は、必然性に欠けた感じ。物
語そのものとの関連が薄いため、だからどうした?的な空気を作ってしまうの
は、作品にとってマイナスだったかも。
 贅沢を言えば、残酷な内容とトリック(仕掛け)をマッチさせることができ
ていたらもっとよかったのに、と感じました。どこかそぐわない印象が残った
です。

 ここからは一般論として。
 この手のストーリーにつきまとう問題として、「何故、特殊な存在が最後に
来るのか?」というのがあるんじゃないかと、常々考えています。たとえば本
作において、最後の獲物となる人物が、もし最初や二番目だったらどうなった
のか(逆に言えば、一番目や二番目の人物が、最後の人物のような反応を見せ
ていたらどうなったのか)。そういう組立てにした方が面白くなる、盛り上が
るといった理由があるのは分かる反面、ご都合主義や悪い意味でのワンパター
ンになりかねない。
 ミステリに限らず、物語に登場する連続復讐殺人者は、何故か、“罪”の軽
い順に殺していく傾向があるようです。もし仮に私がそういった殺人者の立場
なら、“罪”の重い順に殺す計画を立てるけれどなあ。軽い順に連続して殺し
ていくと、感づかれるリスクが高まり、感づかれたら殺し損なう可能性も大き
くなる(一番死ぬべき奴が助かって事件解決パターンが嫌い)。恐怖感をじわ
じわと味わわせるためという理屈が通用するのは、孤島などの閉鎖状況におい
てのみ。そうでないのなら、復讐の対象全員をまとめて殺すか、“罪”の重い
順に殺すのが復讐者心理ではないでしょうか。
 と言いつつ、「だから、特殊な存在が最後に来てはならない」と主張するつ
もりはないです。書くのなら、そのことを読者に気にさせない・気付かせない
レベルに仕上げる、特殊な存在をラストに持ってくる必然性を打ち出す、とい
った努力が大事と思う次第。

 ではでは。





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