AWC 本の感想>『サム・ホーソーンの事件簿3』   永山


        
#2877/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  05/05/13  20:26  ( 21)
本の感想>『サム・ホーソーンの事件簿3』   永山
★内容
・『サム・ホーソーンの事件簿3』
 (エドワード・D・ホック 作/木村二郎 訳 創元推理文庫)13/5341
 男は殺人の罪を告白する走り書きを遺して自殺したが、遺書の中で犠牲にな
った町長は、ぴんぴんしていた。さらに翌日、映画館のオープン記念行事に参
加した町長が、個室内で狙撃されるが、どこから弾丸が飛んできたのか皆目分
からない(「防音を施した親子室の謎」)。雨を避けるために幕で覆われた干
し草の山のてっぺんにあった遺体は、その幕を掛けた当人だった(「干し草に
埋もれた死体の謎」)。五人兄弟の空中ブランコ乗り。演技を披露している最
中、一人がいつの間にか消えてしまった(「消えた空中ブランコ乗りの謎」)。
 数々の不可能犯罪に医師のサム・ホーソーンが挑む、お馴染みの短編集。

 同一キャラクターによる本格推理短編集も、三冊目ともなると、息切れが感
じられます。謎の設定の仕方には工夫が見られるものの、解決のくだりがいま
いちぴりっとしません。どこかで見たような謎解きが多かったのも確かです。
 その代わりなのかどうか、今回はレギュラーキャラクターの身に劇的な変化
が起きるエピソードが入っていました。読者がホーソーン物に求めているもの
とは違うけれども、これはこれで面白い。この変化がシリーズのアクセントに
なり、今後の新たな展開につながるものと期待して、四冊目が出版されたら読
むことになるでしょう。

 ではでは。





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