AWC 本の感想>『猫丸先輩の推測』   永山


        
#2803/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  05/03/20  23:59  ( 23)
本の感想>『猫丸先輩の推測』   永山
★内容
・『猫丸先輩の推測』(倉知淳 講談社ノベルス)19/6562
 連夜に渡って届く悪戯電報。花見の場所取りに頑張る新入社員に絡んでくる
人々。三十枚ものポスターの迷い猫の顔がスプレーで塗りつぶされる謎。商店
街に建ち並ぶ露店に続けざまに行われる悪戯はスーパーの妨害か? 動物園で
ひったくりを追い詰めるも金が消える。クリスマスイブに往来を次から次へと
疾走していくサンタクロース……。
「本当に真実かどうかは判らないけれど、僕なりの解釈でいいなら」
 小柄でまん丸な目に年齢不詳の童顔男の猫丸が、そんな台詞を口にするとき、
日常に転がる何気ない出来事の数々に、思いも寄らぬ答が与えられる。

 大仰な事件は起こらないし、どうだと居丈高に用意された謎もない。しかし、
一見何もないように思えるところから、真実らしきものを示してくれる。それ
はあたかも、砂金採りのようで、隠れていた出来事が現れる瞬間といったら、
何故かしらどきどきわくわくします。
 キャラクターは、猫丸の印象が強すぎるけれども、その他の面々もしっかり
とこしらえてあって、どこにでもいそうな、感情移入しやすい人達になってい
ます。
 本格推理の妙を味わえると同時に、物語としても読ませる。ユーモアがあっ
たり、ほっとさせられたり、あるいは共感を覚えたり。作者の幅の広さも併せ
て堪能できること請け合い。
 血の苦手な人にお薦めできる短編集です。

 ではでは。寝てた。大慌てで書き込み。





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