AWC 本の感想>『アルファベット・パズラーズ』   永山


        
#2801/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  05/03/18  23:51  ( 20)
本の感想>『アルファベット・パズラーズ』   永山
★内容
・『アルファベット・パズラーズ』(大山誠一郎 東京創元社)17/5651
 自宅の屋敷に客を招き、英国式お茶会を催すことを常とする女性翻訳家が、
あるとき突然、お茶会で缶紅茶を出した。不思議に感じた明世に、その屋敷の
家政婦がそっと教えてくれる。「奥様は、わたしが毒を入れると思っていらっ
しゃるんです」 女性翻訳家はやがて毒死し、近くに転がる缶紅茶からは毒物
が。“毒殺妄想症”の被害者に、毒を飲ませることは可能か?(「Pの妄想」)
 アルファベット一文字を題に入れた三編からなる、ロジックと意外さに溢れ
た作品集。

 優れた本格推理小説を読むと、最後までだまされても悔しくなく、逆に嬉し
くなってしまう。いちゃもんをつけようと思えばできるけれど、そんなことは
気にならなくなる。本書はそういった作品の詰まった一冊。
 ミスディレクションが巧みで、多分、ミステリマニアであればあるほど、引
っかかるんじゃないかな。ミステリとしての主眼がここにあると見せかけて、
実はこちらにありますよ、という感じ。
 作者は元々、翻訳家として世に出たそうな。
 このレベルを維持した続編を、残りのアルファベット二十三文字分、書いて
くれることを期待! ……なんだけれど、色々と難しいだろうなあ、設定的に。

 ではでは。





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