AWC お題>スイカ   久作


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#171/569 ●短編
★タイトル (gon     )  04/07/13  06:23  ( 34)
お題>スイカ   久作
★内容                                         04/07/13 06:28 修正 第4版
 これは多分、悪い夢だろう。戦場……戦争は終わっているとのことだが、街を歩いて
いるダークな膚の連中は、すべて敵だ。敵にも俺たちにも、緊張というより恐怖が重く
のしかかっている。仲間は、「戦争」の間よりも「終わった」後の方が、より多く殺さ
れている。おまけに、命令で捕虜を「虐待」した忠実な仲間がマスコミの晒し者にさ
れ、虐待される有様だ。

 だが、そんなことより暑い。恐怖と暑さでオカシクなりそうだ。昔赴任したことのあ
るオキナワも暑かったが、それ以上だ。そういえば、オキナワのスイカはうまかった。
国でも他の何処でも食ったことがない、奇妙な果物だった。ハロウィンのカボチャのよ
うに堅く、緑と黒のマダラな皮で覆われ、グロテスクな外見だが、中には真っ赤で柔ら
かい果肉が詰まっていた。メロンほどは甘くないが、watermelonと呼ばれるほど、ジ
ューシーだった。暑い夏、日本人は客が来ると必ず此のスイカと麦茶を冷やして出す。
麦茶は気が抜けて薄めたビールのようで好きではなかったが、スイカは旨かった。

 基地を一人で歩き回っていると、物陰に大きなスイカがあった。オキナワにいた上官
が取り寄せたか、日本軍が送って寄越したか。そんなことは、如何でもいい。辺りを見
回すと、誰もいない。食おうか、いや冷めてはいないだろう。生暖かいスイカは、食え
たもんじゃない。そこでオキナワにいたときに夢想した遊びを、遣ってみることにし
た。穴を開け、自慰の道具にするのだ。これだけ大きく熟していれば、具合が良さそう
だ。何故ここにスイカがあるか不審に思いながらも辺りを見回し、誰もいないことを再
び確かめると、テキトーに一発撃った。砕けるかとも思ったが、スイカは果汁を迸らせ
赤い果肉を晒しただけだった。ズボンを下ろして既に怒張したモノを一気に穴へと押し
込んだ。

 蕩けるような感覚だ。灼熱の中に放置していたためか体温のように暖かく、熟し切っ
ていたかのか柔らかく纏わり着いてくる感触は、女の密壷より遙かに強烈な感覚を惹き
出す。オレは夢中になって腰を遣った。

 「もう一回訊くが、奴は何て言ったって?」「ですから、自分はウォーターメロンを
ファックしただけだと」「それで具合は最高だったって?」「え、えぇ……」「迷彩服
の仲間のケツをブチ抜いて其の穴をファックしたと言ったんだろ?」「いいえ、ですか
ら……」「もう、いい。殺された奴はテロの犠牲者にまぶし込んどけ。……あぁ、ファ
ック野郎もな。ところで……」「はい」「ウォーターメロンって何だ?」
(お粗末様)





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