AWC 古今トリック   永山


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#7383/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  12/10/13  21:39  ( 25)
古今トリック   永山
★内容                                         12/10/13 21:40 修正 第2版
 とある推理コミックで、犯人特定の決め手として、手紙の文章が印字された
物だったからというのがありました。当日初めて知れ渡った出来事について触
れた印字の手紙を、事前に用意できる者は限られるとの理屈です。
 それ自体は非常に明快なロジックでよいと思うのですが、現代において、そ
の場で印字できる道具は存在するのが大きなネック。いや、現代でなくても、
少なくとも二十五年前の時点で、すでに携帯型の簡易プリンタはあったはず。
 こういう技術的な点で通用しづらいアイディアを活かすには、どう改良すれ
ばいいのかを考えると、なかなか難しい。時代をずらすのが手っ取り早いもの
の、その他のことで不都合の生じる可能性が高い。道具を持ち込めない・持ち
込んでいない状況を作るのも一案ですが、それだと手掛かりが読者に丸分かり
になる恐れが……。

 かつては盛んに(作品で)使われたが、現代ではまず通用しないトリックが
いくつかあります。「その時間なら、自宅でテレビを見ていた」的なアリバイ
トリックもその一つでしょう。
 このトリック、録画が一般的になった時点で、風前の灯火になるも、案外、
生き残っていましたが、ワンセグや投稿動画が珍しくない今では、かなり工夫
しないと使えない。重点を、“いかにしてテレビ番組の内容を知ったか”か
ら、“テレビで見たにしては供述が妙だ”に移すことで、どうにか使えるけど、
目新しさはなくなってしまう。少し前のミステリ番組で、アナログ放送とデジ
タル放送の差を活かしたトリックが用いられていましたが、あれはまだまだ他
の使いようがあると思います。ただ、物語の年代を極狭い範囲に設定する必要
が大きいので、その年代設定のせいで読者に読まれてしまうかもしれません。

 ではでは。





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