#3115/3612 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 24/06/12 17:14 ( 41)
その内映画版も観てみるつもり 永山
★内容
WOWOWのドラマ「ゲームの名は誘拐」初回無料を録画視聴。ネタバレ注意です。
原作は東野圭吾による同名小説で、未読です。二〇〇三年に「g@me」というタイ
トルで映画化もされているみたいですが、同じく未見。
広告代理店サイバープラン内で派閥闘争に後れを取りながらのし上がり、エースプラ
ンナーの地位を獲得した佐久間俊介は、自信を持って進めていた日星自動車絡みのプロ
ジェクトを、同社副社長・葛城勝俊に突如ストップさせられた。憤慨する佐久間に葛城
は「短絡的」などと理由を挙げて、相手にせず。再プレゼンの機会をもらったサイバー
プランだが、その条件の一つに佐久間俊介をプロジェクトから外すこととあった。佐久
間のポストには、佐久間のライバルだった杉本が就く。
ひとまず引き下がった佐久間は、後輩で経済ゴシップ誌の編集員・湯口に、葛城勝俊
について調べさせる。だが葛城はガードが堅く、家族構成すら公にされていなかった。
それでも住所を知った佐久間は夜、葛城邸に行ってみる。周囲をそれとなく探ってい
ると、屋敷から忍び出る若い女の姿を目撃。葛城の娘だろうと当たりを付けた佐久間
は、彼女に接触を図り、言葉巧みに話を聞き出す。その女はやはり葛城の娘で、樹理と
いった。樹理は葛城が前妻と暮らしていた頃の愛人の娘で、今の葛城やその妻娘に恨み
を抱いているらしかった。今夜は半ば発作的に家を出た樹理だったが、もう家に戻りた
くないとまで言い、何億円かもらって縁を切りたいと思いを吐き出した。そして佐久間
に、「私を誘拐して、パパ(葛城)からお金を取ってよ」と提案する。一度は拒んだ佐
久間だったが、翌日、湯口に「愛人や隠し子がいたことで葛城を揺さぶれないか」と考
えを明かすも、葛城の性格ややり方、状況などからみてあまり得策ではないと諭され
た。「葛城を出し抜くなら、葛城が思いも寄らない方法を採らないと」とも。その言葉
に、佐久間は樹理の話に乗ることに決めた。佐久間は葛城宛に、身代金三億円を要求す
るメールを送り付ける。
佐久間も葛城も、人生や仕事はゲームに過ぎず、ゲーム後略には絶対の自信を持って
いる。二人の間、いや樹理を含めて三人による予測不能の誘拐ゲームが始まった。
――てなところが、第一話のあらすじです。出だしから、シリアスでなかなか緊迫感
のあるストーリーが繰り広げられますが、それは飽くまでも企業小説のテイスト。門語
辺りがミステリとなるのは、樹理が誘拐してくれと言い出す辺りから。で、この切り替
えポイントが意外ときつかった。
それまでのシリアスさは現実医を伴っていたのに、狂言誘拐の話が出た途端に、絵空
事感が強まった。バランスが悪いというか、その転換点を通過したことで天秤がゆらゆ
らと揺れ始めて止まらなくなっているというか。
ミステリと分かって小説で読む分には多分大丈夫なんでしょうけど、映像作品だとち
ょっときつい。でもまあここを乗り越えないと何にもスタートしないので、多少の漫画
っぽさには目を瞑りましょう。
それ以外では、ゲームに自信のある二人の真っ向勝負が始まるんだという期待感でい
っぱいです。脅迫メールを出したあと「身代金を奪う方法はこれから考える」と言った
ときは、ちょっとずっこけましたけど、フェアプレーのためだと言ったのは、佐久間の
キャラを表しているのかな。
ではでは。